滋賀県議会 > 2021-09-28 >
令和 3年 9月定例会議(第11号〜第17号)−09月28日-05号

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  1. 滋賀県議会 2021-09-28
    令和 3年 9月定例会議(第11号〜第17号)−09月28日-05号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    令和 3年 9月定例会議(第11号〜第17号)−09月28日-05号令和 3年 9月定例会議(第11号〜第17号)                 令和3年9月定例会議会議録(第15号)                                        令和3年9月28日(火曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第5号                                         令和3年9月28日(火)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第110号から議第145号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)ほか35件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               公安委員会委員長代理      高  橋  啓  子               副知事             江  島  宏  治               副知事             中  條  絵  里               総合企画部長          川  崎  辰  己               総務部長            森  中  高  史               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        市  川  忠  稔               商工観光労働部長        水  上  敏  彦               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          野  崎  信  宏               病院事業庁長          宮  川  正  和               会計管理者           浅  見  裕 見 子               警察本部長           滝  澤  依  子           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         内  田  吉  行           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(富田博明) これより本日の会議を開きます。    ──────────────── △諸般の報告 ○議長(富田博明) 日程に入るに先立ち、諸般の報告をいたします。  公安委員会大塚良彦委員長が都合により本日の会議に出席できませんので、代理として高橋啓子委員が出席されておりますので、御了承願います。    ──────────────── ○議長(富田博明) これより日程に入ります。    ──────────────── △議第110号から議第145号まで(令和3年度滋賀県一般会計補正予算(第7号)ほか35件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(富田博明) 日程第1、議第110号から議第145号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を続行いたします。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  なお、発言に当たっては、会議規則第53条の規定を遵守されるよう、お願いをいたします。  まず、12番松本利寛議員の発言を許します。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従いまして、3項目にわたって全て一問一答で質問を行います。  まず初めに、農業・水産業基本計画と米価暴落対策について、全て知事に伺います。  8月25日、農水省は2020年の日本の食料自給率が37.17%と過去最低になったと発表しました。米の作況が74と大凶作年であった1993年の37.37%よりも低いという異常事態です。  米は自給率を支える柱です。米の年間消費量が1人当たり2.5キロも減少し、年4.6%、32万トンも減少しました。まさにコロナ禍の影響です。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言やまん延防止措置が発令され、営業自粛や外出自粛の影響による米余りは20年産米の過剰在庫を顕著にし、収穫中の21年産の米価の大暴落となっています。  日本の主食である米価の暴落は、農業所得のさらなる低下につながり、農業経営の困難をさらに加速させ、集落営農の解散、離農、耕作放棄など、日本農業に深刻な打撃を与えかねません。また、食料自給率をさらに押し下げる要因になります。  農業をめぐる状況がこのような厳しい状況の中で、今年、県は「持続的で生産性の高い滋賀の農業推進条例」を制定しました。その先の米価の暴落です。皮肉にも基本理念に掲げられた農業所得の増大に逆行する事態です。  そこで、この条例に掲げられた基本理念、農業所得の増大は、今の議会に提案されている農業・水産業基本計画にどのように反映されるのか、まず、知事に伺います。 ○議長(富田博明) 12番松本利寛議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  基本計画は、滋賀の農業・水産業の目指す姿を人、経済、社会、環境の4つの視点で描いており、農業所得の増大につきましては、経済の視点に位置づけているところです。  具体的には、農地のフル活用の下で生産力を最大限に引き出すことによって、1つは需要の変化に対応する農産物の生産力の向上、2つ目といたしまして新たな作物や栽培技術等の積極的な導入、3つ目といたしまして特色ある農産物の生産と新品種の育成を進めることとしているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)本県の農業生産の大宗は水稲が占めています。農業生産額が641億円、米の生産額が369億円と57.5%、全体の6割近くを米生産が支えています。  その米の価格が暴落し、県内の主要JAの概算払い金がことごとく引き下げられ、JAグリーン近江では20年産米との比較で60キログラム当たり、みずかがみでマイナスの2,652円、秋の詩で2,692円、JAレーク滋賀の日本晴で3,780円、キヌヒカリで2,754円など、いずれも大暴落です。また、レーク滋賀のキヌヒカリや秋の詩、グリーン近江、北びわこ農協の秋の詩や日本晴は、60キログラム当たりの概算支払金額が7,000円から8,000円、何と1万円を大きく割り込む事態です。  このように、県の農業生産額の大宗を支える米価の大暴落によって農業生産の減少がいかほどになると想定されるのか、それは農業者にとってどのような影響を与えると想定されるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 影響額と農業生産額の減少についてでございますが、米の産出額は、今後も市場変化や販売努力により、精算時の追加払いもあると思われますが、現時点の概算金を基に算定いたしますと、昨年に比べて30から40億円程度減少すると想定されております。  本県は稲作中心の農業者が多いため、米価下落による経営の影響が大きいと考えているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)それでは、その米価暴落による農業所得の大幅減少を食い止める米価暴落対策をどのように進められるのか、どのような対策を取られるのか、知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 農業者の経営努力では避けられない米価下落等への対応につきましては、国において収入保険制度と米・畑作物の収入減少影響緩和対策が措置されております。  県といたしましては、これまでからこの制度の活用を広く呼びかけておりまして、本議会におきましても補正予算をお願いし、収入保険への加入促進を支援することとしているところです。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)そうした対策も必要なんですが、これは全ての農家が対象になるわけではありません。これ以上の米価の暴落を回避するために打つ手は、原因となっている米の過剰在庫、これを市場から分離することです。  過剰米の隔離で米価の安定を図れという声が日増しに高まっています。全国知事会、農協中央会が声を上げ、さらに県内の自治体でも過剰在庫の市場分離を求める決議が相次いで上げられています。ところが、政府は対応しようとしていません。  改めて、過剰在庫米を国が買い上げ市場から隔離することを国に強く求めるとともに、過剰米の隔離の具体化を迫る必要があると考えますが、知事の姿勢を問います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  現在の状況は、コロナ禍による不測の事態でございまして、国に対して、主食用米の価格安定に向けた対策といたしまして、備蓄米や海外援助米などにより新たな米の政府買入れによる市場隔離を実施されるよう、全国知事会を通じて要請しており、今後も機会を捉えて国に要請してまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)一方で、コロナ禍の感染拡大は貧困と格差を広げ、日々の食料にも事欠く生活を迫られる人々を生んでいます。NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、経済的困難にある家庭へのアンケート調査で、支払いが困難だった支出項目は何かの問いに、76.5%の家庭が食料費と回答しています。  また、バイトや職を失った生活困窮者や学生に対する食料支援が各地で取り組まれ、準備した食料が瞬く間に引き取られるという状況になっています。  こうしたときだからこそ、ボランティア任せとせず、自治体が率先して国が買い入れた過剰在庫米を生活困窮者、子ども食堂などに無償提供する仕組みをつくるべきだと考えるんですが、知事の姿勢を問います。 ◎知事(三日月大造) 国においては、子ども食堂や子ども宅食への支援として政府備蓄米の無償交付が行われており、本年度において交付の上限を緩和されたところと承知をしております。  また、生活困窮者への支援といたしまして、国の災害用備蓄食品のフードバンク団体等への提供が行われているところです。  県といたしましては、これらの国の制度の活用を積極的に呼びかけてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)県の取組が見えないんですが、誰一人取り残さないというのであれば、県の責任で何らかの取組を進める必要があるというふうに考えます。  米の暴落を受けて、政府は主食米を飼料用米に転換することを生産者に迫りました。県でも8万円の国の補助金に5,000円の上積みを行い、作付けを推進しましたが、他方で、生産調整として作付されている加工用米は、主食用米と同じ生産コストにもかかわらず、農協等への出荷額は主食用米の半値で取引され、反当たり2万円の助成措置でも赤字生産となっている農業者も少なくありません。  この加工用米について、飼料用米と同様に生産者支援を強める必要があると考えるんですが、知事の姿勢を問います。 ◎知事(三日月大造) 飼料用米に対して実施する追加の支援策は、主食用米として作付けを予定されていた米を緊急的に飼料用米として用途変更を図るために支援するものであり、作付けを増やされた面積のみを対象とするものと承知をしております。  加工用米については、契約の限度があり、増やすことができないため、対象としていないというところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)一部、国のほうでは2万円の補助を4万円に引き上げる。それは、低コストで実施したり輸出用米に回すなどの措置が取られるというふうに聞いているんですが、この措置の周知についてどうなっているか、知事に伺います。 ○議長(富田博明) このまましばらく休憩いたします。   午前10時16分 休憩    ────────────────   午前10時17分 開議 ○議長(富田博明) 休憩前に引き続き会議を開きます。 ◎知事(三日月大造) 失礼いたしました。  今お尋ねいただいたことにつきましては、JA等団体等を通じて現在周知に努めているところでございまして、現場に徹底を図ってまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)もう1点、加工米について伺いますが、生産調整にカウントする際に、基準単収を基に加工用米の出荷契約が結ばれ、作柄の良、不良に関わらず、契約した数量の出荷が迫られます。不作の場合は、契約した数量が確保できず、損失を覚悟で主食用米を加工用米に転用して出荷しなければならないという不合理な制度となっています。
     この加工用米生産者の経営支援をするためにも、このような制度を改めるべきだというふうに考えるんですが、知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 伺いますと、加工用米の基準単収というものは、市町が国の要領に基づいて算定されているものであり、簡単には見直せないということでございますが、そもそも市町が行う生産調整の配分は目安でございますので、計画段階で農業者が自らの状況に応じて契約数量をあらかじめ少なくする等の調整は可能であると聞いておりますので、状況を見て、生産者にしっかりと寄り添った対応を行ってまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)基準単収は基準単収であって、出荷契約のときにそれぞれの農家が判断したらいいというふうに理解をさせていただきます。  コロナ禍で米の過剰在庫が次年産にも大きな影響を与えるということが考えられます。既に22年産も連続暴落すると心配されています。こうした米価暴落は、これを機会に離農する農家を生み、担い手の減少が進み、過疎化に拍車をかけ、農地の保全や農村コミュニティーの維持を困難にします。  こうしたときに策定される県の農業・水産業基本計画等は、米の生産原価を一体幾らに設定し各種計画が策定されるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 農水省が公表いたしました農業経営統計調査におきましては、令和元年産米の個別経営の費用合計は、米60キロ当たり全農家の平均で1万3,187円、水稲20ヘクタール以上の農家平均で8,998円となっているとのことでございます。  基本計画では、このうち、おおむね20ヘクタール規模の費用を目安に、目指すべき目標というものを定めているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)結局、生産原価を割った米価になっているということが共通ではないかというふうに思います。  そうした中で、売値が7,000円から8,000円、または2,000円から3,000円の暴落では、農業所得の増大を考える農業・水産業基本計画の計画は空文になりかねません。  しかも、知事は今議会の代表質問で、「平成30年から米政策改革によって行政による生産調整の配分によらず、市場原理の中で生産者自ら需要に見合った生産を行い、所得向上を目指す取組を行う」と答弁されています。まさにこの市場原理優先の農政、米政策が農業者に大きな混乱をもたらしているのではないでしょうか。  農業生産は、自然環境に大きく作用され、かつ、多数の生産者が生産を担う生産構造です。こうした中で、市場原理優先、生産と需給調整をする仕組みでは、その機能が維持できず、今の米暴落を生んでいるのではないでしょうか。  国民の主食生産を担い、自然景観を維持、保持し、国土を保全するという大きな広域的な機能を持つ農業を底辺から支えるために、米の需給調整を国が担い、農業者の所得が一定保障され安定的に主食生産が担えるよう、所得補償制度の実施が不可欠です。  改めて、所得補償制度の実施を国に求めるべきと考えるんですが、知事の姿勢を問います。 ◎知事(三日月大造) 農業者が経営努力で避けられない自然災害や農産物価格の低下などで売上げが減少した場合に、その減額分の一部を補填する制度として、先ほど申し上げました収入減少影響緩和対策や収入保険制度が整備されている状況がございます。  米を取り巻く制度が所得に着目され、その向上のための取組として国の管理から民間主導での取組により行われている中で、一律に作付面積に応じて助成するような所得補償制度の導入は慎重であるべきと考えているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今、そこが問われているのであって、食料生産という命の源を担う産業、農業を支える基本ベースの制度をどうするのかということが問われているんです。そのことを改めて考えていただいて、国への対応を要請しておきたいというふうに思います。  次の項目に移ります。コロナ禍を乗り越える中小事業者支援について、一問一答で知事と商工観光労働部長に伺います。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、昨年以来、感染拡大と一時的な収束を繰り返し、この8月から9月にかけての第5波では、一時2,500人を超える感染者となり、自宅療養を余儀なくされ、医療の提供すら危機となりました。緊急事態宣言やまん延防止措置の適用によって、暮らしや生業が大打撃を受け、現在も多くの事業者が深刻な事態に追いやられています。  こうした中で実施された新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う飲食店、事業者支援の協力金、支援金の支給状況はどうだったのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) (登壇)お答えいたします。  営業時間短縮等要請に係る協力金につきましては、できる限り早期に事業者の皆様のお手元にお届けできるよう、要請期間に応じて3期に分けて申請いただくこととしています。  まず、8月8日から8月26日までのまん延防止等重点措置期間に係る協力金については、先に早期給付を行い、9月9日までに飲食店1,176件に対し、4億6,722万円全ての給付を終えているところでございます。  本申請につきましても、9月1日から受付を開始し、9月20日現在で3,258件の申請をいただいております。  また、8月27日から9月12日までの緊急事態措置に係る協力金につきましては、9月13日から受付を開始し、9月20日現在で1,706件の申請をいただいております。  これらにつきましても順次審査を進めており、確認ができたものから給付を行っているところでございます。  事業継続支援金につきましては、今年の4月から6月の売上げを対象とする第1期分につきまして、8月4日から受付を開始し、9月24日現在で、サービス業、建設業、小売業を中心に7,573件の申請をいただき、そのうち約半数の3,710件につきまして給付決定を行っているところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)次に、国が実施している月次支援金についてお伺いします。  中小企業の営業を支える制度としてこの制度を利用されているんですが、受給要件が厳しく、かつ、極めて手続が煩雑で、面倒な手続だったの声が上がっています。月次支援金申請フォームを見ると、まず、13項目に及ぶ宣誓なるチェックから始まり、まるで申請者を初めから疑ってかかる内容が極めて不評になっています。  さらに、ある事例では、91項目の記載事項があり、10ページにわたって記入を要し、さらに、預金通帳や売上げ台帳、宣誓書、同意書、確定申告の写しなどなど10種類以上の添付ファイルを添付してようやく申請できるというものです。  場合によっては、添付資料を各種機関から取り寄せ、手続が必要で、不慣れなネット申請で手続完了まで数日かかる、暇と根気がないと続かない、途中で諦めたなどなど、大変な申請作業です。申請作業中に不備修正のお知らせが事務局から何度も届くことから、不備ループと呼ばれています。  こうした国の月次支援金等の支給手続に困難を抱える事業者の実態があります。早急に解消するべきです。国に改善を求めることを考える必要があると考えるんですが、商工観光労働部長の所見を伺います。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症拡大の影響が幅広い業種に長期に及んでいる中、月次支援金をはじめとした補助金や給付金の申請に不慣れな事業者の方がおられ、商工会や商工会議所などにも相談が寄せられているところでございます。  このため、国に対しましては、全国知事会を通じて、事業者の負担を考慮した書類提出の簡素化などについて緊急提言を行っているところでございます。  また、県におきましては、協力金や事業継続支援金の申請に当たっては、できる限り添付書類の簡素化を図っているところでありまして、引き続き、事業者の声などを踏まえ、必要な改善に努めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)冒頭申し上げましたけども、申請者は全て虚偽記載をするのではないかという、まるで犯罪者かのような扱いに冒頭からなっています。しかも、登録確認期間によっては、銀行の融資を受けているかなどを要件とし、融資の有無で資力判断をする制度にない障壁を設けるケースがあります。  これは本来の制度の趣旨を逸脱しています。改善が必要です。再度、商工観光労働部長に伺います。 ◎商工観光労働部長(水上敏彦) お答えいたします。  コロナ禍において大きな影響を受けておられる中小企業の皆様を支援する制度であります。制度にないような障壁が設けられているようなことがありましたら、そうしたことのないよう、国に対処を求めていきたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)このような手続だけでも心労を伴う、ウィズコロナと称して収束が見通せない状況の中で、経営の先行きが見えない、生活の先が見えないなどの不安を抱え、メンタル悪化を来す事業者も少なくないと言われています。  緊急事態宣言やまん延防止措置を発した自治体が、こうした事業者の生活相談、健康相談、経営相談等の窓口を強化し、しっかり支える仕組みをつくる必要があると考えるんですが、その認識を知事に問います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  県では令和2年7月よりワンストップ相談窓口を設置いたしまして、県のみならず、国、市町の支援情報も集約し、一元的に情報提供するとともに、電話相談のみならず訪問支援によるアドバイスを実施しているところでございます。  さらに、今年度は、コロナ禍で事業者からの相談件数が増加している商工会議所および商工会に対しまして事務補助員を配置いたしまして、経営指導員が相談業務にできるだけ専念できるよう、相談体制の確保を支援しているところでございます。  今後も事業者に支援をしっかりお届けできるよう、商工会議所等における相談実施状況なども確認させていただきながら、寄り添った相談支援に努めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)経営に関わる相談はいいんですが、メンタル悪化を来す事業者が少なくないと言われているんですが、そうした相談についてもきちっと対応できるように、県の機関が対応するべきだというふうに思います。  政府は今月をもって緊急事態宣言やまん延防止措置の解除を検討しているようですが、そうなると、この措置によって給付されている様々な制度が受けられない事態も生まれます。県の時短要請に伴う協力金や酒類販売禁止に伴う支援金、さらに、国の月次支援金を含め、今後のコロナ対策の在り方、措置をどのように考えておるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 飲食店等への営業時間短縮等要請に係る協力金につきましては、緊急事態宣言解除をもって給付対象期間は終了となります。  ただ、宣言が9月末日で解除された場合におきましても、事業活動の厳しい状況はその後も一定続くことが想定されるところでございます。  そのため、県独自に設けております事業継続支援金につきましては、解除後の10月につきましても対象期間とし、売上げが減少する事業者の事業継続を支援してまいりたいと考えております。  また、こうした事業者の下支えとともに、今定例会議に補正予算を提案させていただいております「プレミアム付きデジタル商品券による小売・サービス事業者応援事業」ですとか、「今こそ滋賀を旅しよう! 宿泊周遊キャンペーン事業」により、県内の消費需要の喚起にも取り組んでまいりたいと存じます。  引き続き、感染状況を注視しながら、必要な対策を機動的に講じられるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)コロナの収束が見通せず、かつ、2年近くに及ぶ営業自粛や来客者の減少などによって、事業継続のための体力低下が深刻な状況に置かれている事業者へ幅広い息の長い支援策が求められます。  引き続き、事業継続支援金などの充実強化が必要と考えるんですが、知事の姿勢を伺います。 ◎知事(三日月大造) 事業継続支援金につきましては、この間、対象期間を4月から10月までに延長するとともに、対象とする売上げ減少要件につきましても一定緩和することにより、厳しい状況にある事業者の事業継続を広く支援しているところでございます。  まずは必要とする事業者に確実かつ早期にお届けできるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)営業自粛、酒類の提供禁止などにより、深刻な打撃を受けている酒類の販売事業者への支援事業が実施されていますが、こうした酒類提供に関連する業態、例えば、昨日、黄野瀬議員も申し上げましたが、運転代行業、おしぼりの提供、おつまみの提供などなど、酒類販売業者に関連する事業者への支援も併せて強化する必要があると考えますが、そうした認識について知事の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  飲食店と取引のある酒類販売事業者につきましては、酒類の提供停止に伴い経営に直接かつ甚大な影響を受けることから、国において支援制度が設けられているところです。  県といたしましても、国の支援制度を活用し、国の月次支援金に上乗せをして支援しているものでございます。  議員御指摘の酒類販売事業者に関連する事業者につきましても、事業継続支援金により、業種を限定することなく、広く事業者へ支援を行っているところでございます。  今後とも、国の月次支援金を含めたこうした支援策の周知を図るとともに、県といたしましても、速やかにこうした支援金が給付できるよう努めてまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)酒類提供をされる飲食店の家賃だけでも月10万、20万、これは払い続けなければならないと、そうした実態があります。  観光産業や様々なサービス業をはじめ、多くの事業体が長期に及ぶコロナ禍の中で深刻な打撃を受け、経営存続の危機にある事業者も少なくありません。このままでは業界が消滅するという声まであります。  緊急事態やまん延防止地域の指定が二十数件に及ぶなど、第2波、第3波、第4波以上の感染拡大で、かつ、長期にわたる営業活動の停止や自粛が継続され、昨年実施された持続化給付金や家賃補助の制度は昨年以上に求められています。  こうしたときだからこそ、国に再度の持続化給付金や家賃補助の制度を改めて求めるべきと考えるんですが、知事の姿勢を伺います。 ◎知事(三日月大造) 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化することによりまして、幅広い業種の事業者の皆様に深刻な影響が及んでいると承知をしております。  このため、今月11日に全国知事会から、持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給など、国において手厚く大胆な経済支援、生活支援を講じることを緊急提言したところでございます。  本県経済は今後も厳しい状況が続くものと考えており、今定例会議に補正予算を提案させていただいております「プレミアム付きデジタル商品券による小売・サービス事業者応援事業」等の県独自の支援について、引き続き取り組んでまいる所存でございます。  今後、感染状況を見極め、また、その動向を注視しながら、これらの給付金の再度の実施を含めた必要な事業者への支援につきましても、引き続き国へ要望してまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)ぜひそういう国の対応を実行できるように迫っていただきたいというふうに思います。  それでは、最後に、次の項目に移ります。  次に、湖東記念病院事件に係る国家賠償請求訴訟に対する県の姿勢について、知事と県警本部長に一問一答で伺います。  湖東記念病院事件で無実の罪に問われ12年間も獄中生活を余儀なくされた後に、再審裁判で無罪の判決を受けられた西山美香さんが、国と県の責任を問い起こされた国家賠償請求訴訟において、被告を依然として犯人扱いする主張を行うなど、司法の判断を否定し、西山さんの人権を毀損する極めて不適切な文章であることが、弁護団によって明らかにされました。  この弁護団の指摘を受けて、9月17日、三日月知事は緊急の記者会見を行い、準備書面の修正と西山さんと関係者に謝罪を表明されました。  改めて、この湖東記念病院事件に関わる国賠訴訟における準備書面の修正と関係者への謝罪表明に至った経緯について、知事の思いも含めて所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) お答えをいたします。  西山美香さんから提起されました国家賠償請求訴訟におきまして、令和3年9月15日付で提出いたしました県の準備書面につきまして、不適切な表現がございました。  このことは、令和2年3月に大津地裁で無罪の判決が出され、その後4月2日に無罪が確定しているという経過からいたしましても、極めて不適切だと言わざるを得ないと存じます。  私自身、本件準備書面が提出されたことは把握しておりませんでしたが、県として提出したものでありますことから、去る9月17日に臨時の記者会見を行い、知事である私から西山さんをはじめとする関係者に対しおわびを申し上げるとともに、裁判所等とも調整の上、必要な修正や訂正を指示したところでございます。  今後は、訴訟は訴訟として応訴させていただくこととなりますが、西山さんをはじめとする関係者の御心情やこれまでの経過にも十分思いをいたし、丁寧に主張を行ってまいりたいと存じます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)こうした湖東記念病院事件に係る国賠訴訟の準備書面の修正と関係者への謝罪を表明された知事の対応について、改めて県警本部長はどう認識されるのか、その見解を伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) (登壇)お答えをいたします。  今回、県警察が作成をいたしました準備書面の表現に不十分な点があり、西山さんをはじめ関係者の心情を害したことにつきまして、改めて県警察を代表しておわびを申し上げます。  また、この件に関し知事が謝罪されたことについて、大変重く受け止めているところでございます。  今後につきましては、改めて丁寧に主張してまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)問題となっている準備書面は、湖東記念病院事件の概要を述べた部分にあります。  「被害者を心肺停止状態に陥らせたのは、原告である」と断定するとともに、この結論を導き出すために再審判決が示した様々な検証過程、例えば美香さんの知的障害を否定するとともに、この障害に起因するであろう西山さんの行動について「捜査を攪乱する生来的ないし戦術的意図から生じた奇異な行動」などと何の根拠も示さずに断定をして、再審裁判が論証した事件の経緯も否定をしています。  最高裁が再審を是認し、再審公判で検察官が有罪立証を放棄し、控訴を断念し、再審裁判で無罪が確定した事件について、民事事件の準備書面とはいえ、「被害者を心肺停止状態に陥らせたのは、原告である」と記述することは、滋賀県という地方自治体の主張として極めて不適切な表現である。西山さんの人権を蹂躙し、名誉を著しく毀損するもので、許されるものではありません。  このように、心肺停止に至らしたのは原告であるとする極めて不適切な準備書面の記述について、これを決裁された県警本部長の見解を問うものであります。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  再審公判におきまして無罪判決が確定したことにつきまして、県警察として重く受け止めており、その認識には何ら変わりがないところでございます。  他方、今回の訴訟に関しては、原告の主張される内容に県警察の認識と必ずしも一致しない部分も認められることから、県警察として必要な主張を行うこととしているところですけれども、準備書面の表現に不十分な点があったことから、訂正することといたしております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)本部長は、西山さんにおわびを申し上げると、また、準備書面について修正を加えるという発言がありました。何を修正されるのか、再度、本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  準備書面の文言につきまして、表現に不十分な点がございました。係争中のことでもございまして、詳細について御説明するとこところは控えさせていただきたいところでございますけれども、改めて丁寧に主張してまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)知事が謝罪されたのは、不適切だ、極めて不適切だということでおわびもされて、訂正を表明された。じゃ、何が問題で、どこを修正するのかということについては、多くの県民も含めて非常に大きな関心を持っておられるところです。  これ、改めてきちっと本部長のほうから回答を示していただきたいというか、思いを示していただきたいというふうに思うんです。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  県警察が作成した準備書面につきまして、不十分な点がありました。関係者の方々の心情を害したということにつきまして、おわびを申し上げたところでございます。
     係争中の案件でございまして、詳細についてお答えは控えさせていただきたいというふうには思いますけれども、今後、改めて丁寧に、また、被害者の方の心情を害することがないよう対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)繰返しになるんですが、このような極めて不適切な準備書面が作成されたのはなぜか。県警本部長は、作成されたその経緯も含めて、どういう形でこれが作成されたのか、改めて県警本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  準備書面の作成や提出に係る過程の詳細についてはお答えを差し控えますけれども、今回の準備書面に関しては、結果として表現に不十分な点があったまま提出していたものであり、訂正をすることといたしております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)この国賠訴訟の被告は知事になっています。その当事者である知事に、原告の主張に反証する理由などについて詳しく説明が行われたのか。また、決裁を仰ぐのが当然だというふうに思うんですが、なぜ準備書面の内容について被告当事者である知事に説明せずに、知事の決裁も受けずに裁判所に提出されたのか、その経緯も含めて本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  応訴することにつきましては、知事決裁を受ける一方で、応訴後の個別の対応については県警察において必要な手続を進めていたところでありますが、改めて県の担当部局と連携をしつつ、今後必要な手続を行っていくこととしております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)当然にこれ、敗訴をすれば、県の財政支出が伴うということになるわけですから、この手続について、改めてきちっとした決裁過程、これを明らかにして、手続を取る必要があるんじゃないかと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。 ○議長(富田博明) 松本議員、答弁者。 ◆12番(松本利寛議員) 本部長に。 ◎警察本部長(滝澤依子) 若干繰返しになってしまいますけども、応訴することについては知事決裁を頂戴していたところでございますけれども、応訴後の個別の対応については、県警察において必要な手続を進めてきたところでございます。  ただ、今回御指摘も受けたところでございまして、改めて県の担当部局と連携をしつつ、必要な手続を行ってまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)そもそも手続を省略して、被告である知事の承認がないと。しかも、その中身が十分に説明されていないと。こういう経過の中から今回のような極めて不適切な準備調書の内容になったのではないかというふうに思います。  改めて、この点、今後の問題も含めてきちっと対応されることを強く求めておきたいというふうに思います。  さて、この湖東記念病院事件の再審無罪判決が出された後、令和2年6月議会で我が党の節木議員が、湖東記念病院事件の再審無罪判決を受けて冤罪事件となったこの事件に対する検証を行い、調査結果を公表するとともに、捜査の在り方を抜本的に改善するべきだと、この本会議で県警本部長に見解を問うています。  これに対して県警本部長は、被疑者の特性に配慮した取調べを推進するとともに、客観証拠の吟味を十分に行うとしたものの、冤罪を生んだ事件捜査の検証や調査を明言していませんでした。  今回、国賠訴訟において、再審確定判決を真摯に検証し総括を行ってこなかったから、このような極めて不適切な、「被害者を心肺停止状態に陥らせたのは、原告である」などとする準備書面の策定に至ったのではないでしょうか。改めて県警本部長の見解を問います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  再審公判において無罪判決が確定したことについて、県警察として重く受け止めておるところでございまして、その認識には変わりがございませんし、昨年の定例会議で御説明したとおりでございます。  他方、今回の訴訟に関しましては、準備書面の表現に不十分な点があったことから、訂正をすることとしております。  今後、改めて丁寧に主張してまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は、改めて、冤罪事件を生んだ捜査の在り方そのものが問われているんじゃないかと。それを検証し、調査を行った上で、その上で国家賠償訴訟に対応するべきではないかと、こういうふうに考えるんです。  そうでなければ、今回、極めて不適切な文書を作った動機や背景やその目的が明らかにならないんじゃないでしょうか。そのことを改めて本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  県警察として、再審公判において無罪判決が確定したことを重く受け止めております。これを受けまして、被疑者の特性に配慮をした取調べの推進や、客観証拠の吟味を十分に行うなどの取組、これを強力に進めてきているところでございまして、こういった取組を引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)今、本部長が被疑者の特性に配慮した取調べというふうにおっしゃいました。しかし、この準備書面の中でこういう記述があるんですね。  先ほど申し上げましたが、美香さんの知的障害を否定するとともに、この障害に起因するであろう西山さんの行動について、「捜査を攪乱する生来的ないし戦術的意図から生じた奇異な行動」だと。  知的障害のある人の状況を十分に把握して調査が進められ、この準備書面が書かれたようには到底思えません。県警本部長が6月に答弁された中身とも大きく違うんじゃないですか。この点はどうなんでしょう。 ○議長(富田博明) 松本議員、答弁者。 ◆12番(松本利寛議員) 本部長。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  係争中の案件でございますので、詳細についてはお答えを控えさせていただきますけれども、今後については、改めて丁寧に主張してまいりたいというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、県警察が作成いたしました準備書面の表現、非常に不十分な点がございまして、関係者の皆様に警察本部長といたしましておわびを申し上げるところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)滋賀県警では、2018年に大津地裁で再審裁判が決定された日野町事件などの冤罪事件、さらに、最近でも母親の歯型を取り違えて誤認起訴をするという歯型取り違え事件、さらに、明確なアリバイがあるにもかかわらず誤認逮捕されるという、そういった誤認逮捕などの捜査上の誤りが相次いでいます。  なぜ冤罪を生んだのか、そういう基本的な問題意識から十分な調査を行わない。だからこそこういうふうな事態が繰り返されるんではないでしょうか。  改めて、本部長にどのように認識されるのか再度伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  他の再審事案等につきましては、係争中のことでもございまして、あるいは再審裁判が進んでいるところでもございまして、答弁は控えさせていただきたいというふうに思います。個別の事案についてもでございますけれども。  ただ、先生も御指摘されていらっしゃいますとおり、私ども警察にとりまして、適切に捜査を進めていくということ、大変重要なことでございます。これにつきまして、引き続き、適正捜査のための取組をしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)私は冤罪事件を、十分な検証や調査を怠ってきたからこそ、冤罪が確定してからも漫然と従来の捜査段階の主張を繰り返してきたのではないかというふうに思います。  再審確定判決を否定し、原告の人権を大きく毀損し、重大な人権侵害となる国家賠償訴訟に提出された準備書面は全て撤回をし、また、県警本部長が原告や関係者に直接会って謝罪するべきだというふうに考えます。県警本部長の姿勢を伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  県警が作成をいたしました準備書面の表現に不十分な点があり、関係者の心情を害したことにつきまして、県警察を代表しておわびを申し上げたところでございます。  今後につきましては、改めて丁寧に主張してまいりたいと考えております。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)いや、主張されるのはいいんですが、まず、やっぱり今回の経緯を含めて本人さんや関係者に謝罪すべきじゃないかと、そのことを申し上げているんです。再度、本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) 再審公判におきまして無罪判決が言い渡されたことにつきまして、重く受け止めるとともに、結果として大きな御負担をおかけして、大変心苦しく思っているところであるという旨、昨年6月の県議会で申し上げたところでございまして、この点について、私の考えとして変わっているところでは全くございません。  本件につきましては、現在係争中の案件でもありますので、こうしておわび申し上げる旨を明らかにすることが適切であると考えたところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)知事もおっしゃったけども、争うべきとこは争ったらそれはそれでいいんですけども、まずその前に、手続的にも誤ったことについて、これはきちっと本人さんも含めて謝罪すべきだと、直接出会って。それが人の道だというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。 ○議長(富田博明) 松本議員、答弁者。 ◆12番(松本利寛議員) 本部長に。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えをいたします。  本件でございますけれども、現在係争中の案件ということでございます。直接お会いするのではなく、こうしておわびを申し上げる旨を明らかにすることが適切であると考えたところでございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)公判でも出会われる可能性がありますから、きちっとその場面で謝罪をされるべきというふうに思います。  最後に、12年間も獄中にとらわれ、一度しかない青春を奪われた西山美香さんが、晴れて再審裁判で無実を証明され、新たな人生のスタートを切ろうとしておられるその矢先、冤罪事件を生んだ滋賀県警が再審裁判の結果がなかったかのように、原告が死に至らしめたという無情な言葉を発して、西山さんの人権を著しく毀損した責任は極めて重大です。冤罪を生んだこと自体が重大な人権侵害であるはずが、民事裁判で再び人権を傷つけるという行為があったことは許し難いものであります。  組織を代表して県警本部長が、西山さん家族をはじめとした関係する皆さんに謝罪するべきです。再度、本部長に伺います。 ◎警察本部長(滝澤依子) お答えを申し上げます。  御指摘のとおり、準備書面の表現に不十分な点がございまして、西山さんをはじめとする関係者の心情を害したことにつきまして、県警察を代表しまして改めておわびを申し上げたところでございます。  このお気持ちにつきましては、現在係争中ということもございますので、こうしておわび申し上げる旨を明らかにすることが適切であるというふうに考えた次第でございます。 ◆12番(松本利寛議員) (登壇)警察組織の業務上、組織上のやむを得ない状況は分かります。簡単に謝れば、捜査が進行しない、あるいは捜査上の障害になる可能性もあります。  しかし、自らの組織でこれは誤りだということが判明をすれば、それは率直に謝罪をするべきだと。そこから次の冤罪や次の捜査の誤りを防止する出発点があるというふうに思います。そのことを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、12番松本利寛議員の質問を終了いたします。  次に、3番柴田清行議員の発言を許します。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告書に従いまして、一般質問をさせていただきます。  新型コロナウイルス感染症の再流行に備えての課題について質問をさせていただきます。  第5波と言われる新型コロナウイルス感染症の陽性患者は、滋賀県においても連日200名を超える大きな数値を示し、8月24日においては最大の234名の陽性患者を記録いたしました。新型コロナウイルス感染症の猛威を痛感したところでありますが。  現状では収まりつつあり、緊急事態宣言も解除の方向ではありますが、第5波の急激な感染拡大は、予想をはるかに超えた急拡大であったと県当局は表現されているところもあります。  今後、第6波とも言われる新型コロナウイルス感染症の波が訪れる可能性が十分にあり、県としても、今までの予想内容が的確であったのか、しっかりと検証しながらも、早期に再流行への対策を講じる必要があることから、質問に入らせていただきます。  まず1問目、コロナウイルス陽性患者の最大感染者数を記録した期間において、各保健所の状況についてどうであったのか、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ○議長(富田博明) 3番柴田清行議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  県内の新規陽性者数は、8月24日に公表日ベースで最大の234人を記録したところでございます。  新規陽性者数の増加に伴い、保健所では、陽性者に対する積極的疫学調査および濃厚接触者等に対する検査に加えまして、急増した自宅療養者に関する業務、特に毎日の健康観察業務が増大したところでございます。  保健所から、日々、応援職員派遣の要請を受けておりましたが、8月24日には応援要請が計33人に及んでおりまして、8月の1か月間に延べ433人の県職員を派遣するなど、保健所の業務運営はそれまでになく逼迫した状態にあったところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)再問をさせていただきたいと思いますが、この延べ433人を県職員の方、各保健所に応援に出されたわけですが、この期間、この人数で十分な応援体制が取れたと認識をされているのか、健康医療福祉部長に再問したいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  第5波への対応につきましては、各保健所と緊密に連携して必要な対応を取ってきたところでございます。  積極的疫学調査の中で施設等において広く検査が必要となった場合には、保健所のみで調整を行うのではなく、本庁の感染症対策課におきまして施設と検査機関との間の調整を行うなど、柔軟な対応を行ってきたところでございます。  なお、急増した自宅療養者などの健康観察業務については、ピーク時に支障が生じた場面もございましたが、応援職員を大幅に増やすなどして対応しており、健康観察が実施できないという事態には陥らなかったという認識でございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)部長のほうからも苦しい答弁かなと僕は思っていますが、いろいろな情報からすると、なかなか本当に保健所の業務は厳しかったと認識をしております。  今後、最大1日当たりコロナウイルス陽性患者数をどのように想定されているのか、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  8月19日の新型コロナウイルス感染症対策協議会におきまして、感染拡大時における療養者数等の見直しを行いまして、感染急拡大時の1日当たりの新規陽性者数を460名と想定したところでございます。  療養者数等の見直しに伴いまして、特に自宅療養者に対しまして安心して療養いただける体制のさらなる強化を図っているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)最大で460名というような予測を立てられたと。8月24日の現在で234名という陽性患者数が出て、それの倍とは言いませんが、それに近い陽性患者の最大数が出るという予測をされたということは、今後もかなりのこの新型コロナウイルス感染症に対する対応をしっかりしていかなければならないと思っておられるんだろうと思っております。  第5波の最大陽性患者発生時には保健所機能が停滞し、陽性患者の特定や検査が延滞したなど、いろんな事案が報告をされていますが、保健所の今後の体制づくりについて、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  保健所の体制強化につきましては、8月臨時会におきまして補正予算をお認めいただき、健康観察業務等に対応するための会計年度任用職員を任用したほか、県内市町から保健師等を派遣していただくなどの新たな取組を行ってきたところでございます。  現在、さらなる体制強化について保健所と意見交換を行っているところでございまして、今後の感染拡大時におきましても、より迅速かつ柔軟に職員を派遣し、必要な体制を確保してまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)予想される460名という部分に含めて、この保健所体制づくり、しっかりとしていかなければならないと思っているんですが。  補正予算でも会計年度任用職員96名ですか、92名ですか、採用をという部分で、今現在、保健所にも勤務していただいていますが、本当にこの人数で足りるのか。県の職員433名を送り込む、これで足りるのか含めて、今、保健所からどのような要望が出ているのか再問させていただきたいと思いますので、健康医療福祉部長、お願い申し上げます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  会計年度任用職員でございますけれども、この予算につきましては、最大時を見積もった予算でございます。  保健所からの声でございますけれども、会計年度任用職員として専門職の看護師が配置されたことということで、健康観察業務がスムーズに対応できたという、大変ありがたかったという声は聞かせていただいております。  ただ、応援体制についてでございますけれども、今後も感染拡大期には時期を逸せず、迅速かつ機動的に確保してほしいと、こういった御意見をいただいております。  それから、応援体制については、人が交代もしましたので、同一職員による継続的な支援が望ましいと、こういった御意見をいただいているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)応援に行かれた職員の方も本当に慣れない職で、先ほども部長から報告あったように、保健所のほうも当然慣れた人を派遣してくださいというのが一番の声だったように思っているわけですが。  続いて、1保健所管内は幾つもの市町で統括管理をしていただいております。  米原市をはじめ幾つかの市町では、検査費用を独自で予算化されました。この米原市やその他の市町、大津市や東近江市さんらしいですが、独自で検査費用を計上された市町はそれでいいんですが、一つの保健所内には、北のほうでは米原市と長浜市がおられますが、長浜市は予算を計上していないということに対して、全ての県民からして予算化されていない市町とのいわゆる格差が生じております。  新型コロナウイルス感染症の対応は、県が責任を持って対応しなければならないと考えますが、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。
     本県では、今年4月に検査体制整備計画を策定いたしまして、1日3,153件のPCR検査を実施できる体制を整備しているところでございます。  また、民間検査機関との契約によりまして、県全体の体制拡充を行うとともに、各保健所と調整した上で、各保健所管内の状況に応じて医療機関と契約するなど、検査体制の拡充を行ってきたところでございます。  米原市におかれましては、PCR検査機器等の予算を計上されたことについては、地域の実情を踏まえまして、保健所との調整の上、措置されたものと承知しているところでございます。  幾つかの市町におかれまして検査に関する予算が計上されていることは承知しているところでございますけれども、県といたしましては、いずれの市町におきましても、患者が急増した際にも必要な検査が十分実施できる検査体制を整えているところでございまして、今後も責任を持って対応してまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)この検査体制、全ての県民が安心して滋賀県に任せていいというような体制づくり、また、それを県民に知らせるということが大切だと思いますので、今後よろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、保健所にはコロナ禍以前も日常的に多くの業務があったと理解をしております。新型コロナウイルス感染症の流行により、また新たな業務が膨大したと考えております。  このコロナ禍以前の保健所業務について、現在どのように対応されているのか、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  保健所は、感染症対策はもとより、難病や精神保健、母子保健、あるいは食品衛生、生活衛生、医療監視など、県民の健康や衛生を支える様々な業務を行う公衆衛生の第一線の機関でございます。  感染拡大局面では、感染症対策に集中的に取り組むため、会議や研修などを中止するなど通常業務の簡略化を図る一方、指定難病等の受給者証の更新につきましては本庁で一括して対応し、また、精神科救急対応につきましては精神保健福祉センターなどに応援を求めるなど、本庁所管課と連携し、全庁的なバックアップの下、対応しているところでございます。  さらには、患者搬送業務のコントロールセンターにおける一元化や濃厚接触者の健康観察業務および患者搬送の業務委託など、外部の専門職の皆さんの力強い支えを得ながら、業務軽減を図っているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)この保健所の日常業務、また、事務業務など、なかなか進んでいないというのが現状ではないかと想像しておりますので、この事務業務含めてしっかりと進むように、保健所の体制を今後しっかりとしていただきたいと思っております。  続いて、第5波の最大陽性患者発生時には滋賀県COVID−19災害コントロールセンターが停滞し、陽性患者の検査や入院、ホテル隔離処理が延滞したなど、いろんな事案が報告をされていますが、滋賀県COVID−19災害コントロールセンターの今後の体制づくりについても、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  滋賀県COVID−19災害コントロールセンターは、災害拠点病院から派遣いただいた豊富な臨床経験を持つ災害医療コーディネーターや看護師が入院先等の調整業務を担当し、その他の管理運営業務につきましては県職員が担う形で運営しているところでございます。  コントロールセンターの業務人員につきましては、感染拡大期におきましても、陽性確認されてから遅滞なく調整できるように、感染状況に応じて増減させているところではございますが、第5波におきましては、看護師および県職員をこれまで以上に増員するとともに、県職員の夜勤当番をつくりまして、職員が24時間常駐する体制で運営を行ってきたところでございます。  こうした感染状況に応じた柔軟な体制を取ることで、第5波におきましても、入院加療が必要な方につきましては、当日または翌日までに調整することができたところでございます。  今後も感染状況に応じて柔軟に人員を配置し、入院加療が必要な方に迅速に対応できますように、機動的、効率的な体制整備に努めてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)このコントロールセンターも大変だと思います。言葉にはなかなか言い表せない部分もあろうかと思います。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  続いて、コロナウイルス陽性患者の外国籍患者について、まず、この患者数について、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  陽性患者の国籍については、患者発生時の調査項目とはされておりませんが、日本語での会話が可能か否かについては、療養先の調整が必要となることから、これを把握することとしているところでございます。  日本語での会話の可否の区分から見ますと、本県で発生した9月20日までの陽性患者1万2,306人のうち、日本語での会話ができない方が572人おられまして、その割合は全体の4.65%となっているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)572人という数字をお示しいただきました。やっぱり大変だなという思いをしているんですが、新型コロナウイルス感染症の陽性になられた外国籍患者の対応につきまして、病院関係者の方々から、意思疎通ができず大変困っているというお話をお聞きいたしました。日常的なお言葉はしゃべれるんですが、病気的な身体の状態など、なかなか意思が通じないということでございました。  この対応について、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現状、新型コロナウイルス感染者の入院を受け入れる医療機関のうち、外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関に対しましては、多様な言語や宗教・文化的背景への配慮等、外国人特有の課題に対応する入院治療、療養が可能な体制を整備するために、必要な取組を支援しているところでございます。  具体的には、入院患者と医療通訳が通信するための機器の整備費用や入院患者に対する翻訳委託料などを支援しているところでございます。  引き続き、感染者の入院を受け入れる医療機関からの御相談に対応し、外国人患者が安心して療養できる体制を整えてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)病院の看護婦さんとかは、その都度その都度通訳機を使うとか電話を対応してするとかというのはなかなか難しいというのが現状だと思っています。非常にお困りだという部分に関して、また今後、対策を講じていただきたいなと思っているんですが。  多くの外国籍の方々が滋賀県に住んでおられると思います。各国の通訳など、国際課などでは担当分野でもあることから、現在の移住状況からも含めた対応について、総合企画部長にお尋ねをいたします。 ◎総合企画部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  本県には、住民基本台帳に基づきますと、令和2年12月末時点で3万3,076人、108の国・地域の方が暮らしておられます。人口に占めます外国人人口の割合は、最も高い湖南市で約6.0%、また、愛荘町や甲賀市で4%を超えておりますが、県全体では約2.3%となっております。  このように多くの外国人の方がお住まいでありますことから、2019年の4月、従来の相談窓口を拡充しまして、12言語で対応できるしが外国人相談センターを滋賀県国際協会内に設置いたしました。  この相談センターにおきまして、新型コロナウイルス感染症に関する相談も受け付けておりまして、センター設置以来、新型コロナウイルス感染症に関しまして、発熱等があるがどうしたらよいかといった医療面の相談や、生活福祉資金など支援制度に関する相談など、773件の相談をお受けいたしております。  加えまして、保健所が行います健康観察等の通訳を依頼に応じてセンターの相談員が行っておりますほか、国際課において自宅療養者向け案内文の翻訳や通訳者の保健所への紹介などを行い、現場での多言語対応の充実が図られるよう取り組んでいるところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)今、総合企画部長からお話をいただきましたが、外国籍のコロナ患者の言葉がしゃべれないという方で表現されておりましたが、4.65%出ていると。滋賀県に住んでおられる方の外国籍2.3%ということからいいまして、この外国籍といいますか、言葉がしゃべれなかった、日本語がしゃべれなかった方の比率は、私、非常に高い部分があろうかと思っております。多分、保健所の対応あたりでもかなり混乱を来している部分があろうかと思うんですが。  特に、私の今近くでも、外国籍の方、お住まいですが、一軒家の小さなとこに10人ぐらいグループで生活をされておられるという、滋賀県内も多分そういう方々は多いだろうと思うんですが、そうなると、コロナの患者が1人出たら、すぐに感染をしてしまうというような現状があるのかなと今想像をしているんですが。  今後、その生活様式も含めて、外国の方々、外国籍の方々にどのようなこの周知、新型コロナウイルス感染症に対する周知をどのようにしていただけるのか、再度、総合企画部長にお尋ねしたいと思います。 ◎総合企画部長(川崎辰己) ただいま議員のほうからもお話ありましたとおり、若干、健康医療福祉部長と私の申し上げた数字のベースが違うところがございますが、おっしゃっていただいたとおり、県内で多くの外国人の方、お住まいでございます。  それらの方々に日常生活あるいは職場で、いろんなところでどのような対応が必要なのか、それぞれの言語に応じて必要な情報が皆さんに届いて、必要な対応を取っていただけるように、意を用いて尽くしてまいりたいと思います。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)12言語というようなお話もありましたので、大変難しい分野もあろうかと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、ワクチン接種について質問をさせていただきますが、ワクチン接種については、健康上の理由からもワクチンが打てないという方々もおられるという部分も配慮しながら、質問をさせていただきたいと思います。  ワクチン接種は、主に市町でお願いをしているのが主でございますが、日本の全体のワクチン接種、2回目のワクチン接種が50%を超えて、11月末には希望する全ての国民に2回接種が終わるという情報も出ております。  まずは、現時点で滋賀県でのワクチン接種率を、2回のワクチン接種率含めて、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  接種対象者となる12歳以上のワクチン接種の状況につきましては、9月26日現在で、医療従事者を除き、2回目接種された方は約72万人、12歳以上人口当たりの接種割合としては57%となってございます。  ちなみに、1回目の接種の方は71.4%でございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)滋賀県ではもう57%という2回目の接種が終わっているということでございました。  県がワクチン接種を希望する全ての人たちにこのワクチンを接種するこのワクチン接種率がどこまで上がると想定をされているのか、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  8月に広報課が実施したLINE「新型コロナ対策パーソナルサポート」によるアンケート結果によりますと、「すぐにでも受けたい」「様子を見てから受けたい」と回答された方が81.5%ございました。  さらに、市町の接種計画を勘案した接種見込みでございますが、最終的には接種対象者の85%程度の方が接種されることを想定して、対応を進めているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)滋賀県では85%の方が2回の接種を終えていただけるような体制づくり、また、そのような予測をしていただいているという回答でありましたが、今後、このワクチン接種、この率を上げようという努力を今後政策としてされるのかどうか、健康医療福祉部長に再問したいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  39歳以下の方、こういった方々でも、1回目の接種率は5割を超えました。特に若者に向けましての周知が大事だというふうに思っています。  若者の方について、優先接種にも取り組んでいるとこでございますが、現在この広報、こういったことに力を入れていくということで、インターネットを中心としてワクチンデマがあふれているということもございまして、ワクチンの効果や副反応に関する正しい知識を周知するため、ユーチューブ動画を作成してSNSで周知いたしますとともに、中高生向けリーフレットを作成いたしまして、学生の方々に速やかに配布してまいりたいと存じます。  基本的な取組ではございますけれども、ワクチン接種による効果やメリットが引き続き丁寧に周知することで、接種の促進につなげてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)再度確認したいんですが、目標というか、目指していた85%を超える接種を目指しているのかどうかという部分をお聞きしたつもりなんですが、再度、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  85%という数字は、市町の接種計画、これを基に検討した数字でございまして、こうしたことで対応できるようにという取組を進めているところでございます。  希望者の方が11月中に接種を終了できるようにということで、市町の皆さん、それから関係者の皆さん、こういった方々と県としても全力を尽くしてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)それでは、このワクチン接種希望者に、10月中になのか、11月の中旬なのか、どこら辺を滋賀県が接種完了を目指しているのか、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  11月末を目標に取り組んでまいりたいと思っております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)このワクチン接種、新型コロナウイルス感染症には大変効果があると言われておりますので、県としても今後しっかりとした対応をお願いしたいと思います。  次に、感染症の病床数についてお尋ねをしたいと思います。  第6波に備えて新型コロナウイルス感染症病床の確保数について、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  これまでから、病床・宿泊療養施設確保計画に基づきまして病床を確保しているところでございまして、感染者急増時におきましては、緊急的な患者対応方針に基づき、さらなる病床の確保を図っているところでございます。  9月28日現在、計画上の最終フェーズにおける確保病床数350床に加えまして、緊急的な増床分73床の計423床を確保しているところでございます。  9月24日には、医療体制の非常事態を脱したとして、緊急的な患者対応方針の運用を終了したところではございますが、感染動向を見極めるために、今後1か月をめどとして、一般医療との両立の観点から確保の継続が困難な病床を除きまして、現在の確保病床数をできるだけ維持する方向で各医療機関と調整を行っておりまして、今後についても、できる限り病床の維持・確保を図ってまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)先般、米原市において、開業予定の妊婦さんのための新型コロナウイルス感染症病床16床を設置していただける民間の開業医さんの病院を視察させていただきました。本当に大変ありがたいことで、安心を県民に与える政策に感謝を申し上げたいと思っておりますが、今後も民間病院の皆様にも御協力をいただきながら、新型コロナウイルス感染症病床の確保方針について、健康医療福祉部長にお尋ねをいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在、24の新型コロナウイルス感染症受入医療機関のうち、4医療機関が民間の医療機関でございます。9月に新たに受入れを開始いただいた医療機関をはじめ、ほかの3医療機関におかれましても、第5波の感染拡大時には、計画上の割当て病床を超えて増床をいただくなど、多大な御協力をいただいているところでございます。  また、回復後患者の受入れについて御協力をいただいている33の後方支援医療機関のうち、27病院が民間の医療機関でございまして、本県では、地域の実情や各病院が有する機能に応じて新型コロナウイルス感染症に対して御協力をいただいていると認識しております。  今後もこうした協力体制の下、公立・公的・民間を問わず、県内の医療機関が一丸となって適切な医療を提供できるように取り組んでまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)公的病院、また、民間病院、本当に新型コロナウイルス感染症に大変御協力いただいているという答弁だったと思いますので、今後もまた御協力をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、知事にお伺いをしたいと思っております。  先般、政府において医療法の改正が行われました。医療計画の5つの事業に新興感染症等の感染拡大時における医療というのが追加をされ、医療計画は6事業になりました。  この法の下で地域医療構想が2025年をめどに議論が進められていましたが、現在新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、なかなか議論が進められる各地の現状ではありません。  議論を進めなければならず、今後の地域医療構想を感染症の現状を含めて滋賀県としてどのように進めていこうと考えておられるのか、知事にお伺いしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるための病床につきましては、感染症病床だけでは足りず、各病院の御協力の下、一般病床を活用することで確保をしてきたところでございます。  こうした中、国においては医療法等改正法が成立し、県でも新興感染症等への対応に関する事項を次期保健医療計画に盛り込む予定でございますが、現行計画の中間見直しにおいても、新型コロナウイルス感染症での経験を踏まえ、感染拡大時の病床の確保や検査体制の充実等の取組を記載する方針でございます。  また、地域医療構想について、県といたしましては、国の動向を踏まえつつ、新型コロナウイルス感染症での影響をしっかりと検証した上で、地域の実情を考慮し、地域医療構想調整会議の場で病床機能の分化と連携の議論を丁寧に進めてまいりたいと存じます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)地域医療構想、大変重要な議論でもありますし、急性期病床をどうするのか、慢性期、また、リハビリ期、回復期などの病床をどうするのかという問題が、このコロナによって私はかなり変わってくるんじゃないかなと思っております。  国は、これから地域医療構想の中身についてもいろんな指針を出してくるだろうと思いますので、滋賀県として、しっかりとしたこの地域医療構想をつくり上げるという部分に関しては、よろしくお願いをしたいと思います。  続きまして、次に、私が議論をしております基金運用について質問をさせていただきたいと思います。  県が公表されている令和3年2月試算の財政収支見通しでは、累計で約860億円の財源不足が公表をされています。  歳入確保の一つの手段として、基金を効率的に運用することは大変重要だと考えております。今でも基金運用の重要性を、今でもといいますか、ずっと私は訴えてきましたが、当局の運用方針も少しずつ見直しをしていただき、運用収益も、現在の日本の経済が低迷する中、いろんな分野の預金金利が下がっている現状でもありますが、以前の予測見込みと比べますと約2倍の収益を見込んでいただいているのが現状だと思います。  本当に大変努力をしていただいているという部分に関しては感謝を申し上げたいと思いますが、もう少し努力の部分をお願いしたい、また、訴えたいと思いまして、この収益確保につながる質問をさせていただきたいと思います。  まず、基金運用の現状について、会計管理者にお尋ねをいたします。 ◎会計管理者(浅見裕見子) (登壇)お答えいたします。  基金の運用に当たりましては、滋賀県資金運用方針において、安全・確実を最優先としているところでございます。  その上で、厳しい金利状況を背景に運用益確保の観点にも配慮し、令和2年度からは債券運用の割合を高めるなど、運用割合の見直しに取り組んでまいりました。  加えて、令和3年度からは、償還年限が10年を超える債券、いわゆる超長期債を購入するとともに、これまで債券運用を行っていなかった特定目的基金の一部についても債券運用を行っているところでございます。  その結果、令和元年9月末における相対預金の割合が49.2%、引合預金の割合が43.7%、債券運用の割合が6.7%であったものが、令和3年9月末における相対預金の割合は11.3%、引合預金の割合は68.2%、債券運用の割合は19.6%になると見込んでいるところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)ありがとうございます。  まず、銀行預金に関しては本当に非常に努力をしていただいて、相対預金と引合預金という2種類の預金があるんですが、私、ずっと説明しているんですが、この相対預金は滋賀県の指定金融機関1社に対して預けていると。1社の、私の個人的には言いなりの金利を示された金額であったのを、約50%から今11.3まで縮めていただいて、引合預金、3社ぐらいの入札によって金利を決めていただくという確率を増やしていただいている。当然のように金利は高いですよね。相対よりか引合は高い。
     それによって、50%、50%からかなりの枠が変わったことによって、預金の利率イコール資金は増えているということで、大変ありがたい話だと思っていますが、この相対預金、まだまだやっぱり続ける方針であるのか。この金利運用をしっかりしている都道府県では、相対預金をなくしているという都道府県がありますが、この方針について、再度、会計管理者にお聞きをしたいと思います。 ◎会計管理者(浅見裕見子) お答えいたします。  相対預金につきましては、当座勘定借越しの見合い預金としての性格もございますことから、預金額の決定に当たりましては、資金繰りの状況や運用益の確保について総合的に検討し、判断しているところでございます。  今後も、相対預金の金額や割合を固定化することなく、預入れの都度、状況に応じた柔軟な対応に努めてまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)柔軟な対応、いい言葉だと思っておりますので、一つの民間金融機関でもあります株式会社のそこに一方的な金利で預けるというのが、今後のこれからの滋賀県の財政運営を考えると、そこまでする必要はないんじゃないかなと僕は思いますが、今言われたように、もしものときにしっかりとした基金を借りなきゃいけない、その部分では必要やと。  前の会計管理者も一番先にそれを言われたんですが、柔軟な対応という部分の答弁をしていただきましたので、今後よろしくお願いをしたいと思います。  続いて、基金運用には当然のようにリスクが付き物であります。先ほどの会計管理者の答弁にも、安全な資金運用というお言葉もありました。特に超長期債券の運用につきましては、しっかりしたリスクマネジメントが必要であると考えます。  ここで、県のリスクマネジメントについて、会計管理者にお尋ねをしたいと思います。 ◎会計管理者(浅見裕見子) お答えいたします。  議員御指摘のとおり、基金運用に係るリスクマネジメントは大変重要であると考えております。  そこで、毎年度、各基金所管課に対し、積立ておよび取崩しの予定について照会を行い、運用が可能となる金額および期間の把握に努めるとともに、償還年限が10年を超える債券、いわゆる超長期債の購入に当たりましては、毎年一定額が償還される債券、いわゆる定時償還債を中心に購入することとしております。  このことによりまして、債券を売却することなく必要な資金を確保することができ、リスクの低減が図られるものと考えております。  加えて、社会経済情勢等の変化に伴い、基金全体の残高が急激に減少するような不測の事態も想定し、基金残高に対する債券運用比率が一定の割合となった場合に再投資を制止するなどの具体的な対応策について、あらかじめ外部有識者の意見も踏まえながら定めておくことにより、リスク管理を行うこととしているところでございます。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)大変難しい運用をしていただいていると思いますが、他の都道府県においても、やっぱり専門家を設置されておる都道府県が多々あります。今も専門家の意見を聞きという部分もあるんですが、やっぱり職員さんとしてしっかりとこの対応ができるような方々を育てていただくというのもこれからの課題だと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  最後に、この基金運用について私が一番ちょっと訴えたかったことが、基金運用の捻出方法。先ほど会計管理者から、財政調整基金、財政課が持っている基金以外のその他の一般的な基金の捻出方法、昨年度ぐらいから始めていただいて、これに対して今年になって、超々長期債券、20年の債券も購入していただいて、かなり利率のいい部分で利益を上げていただいているわけですが。  この基金の捻出方法について、江島副知事にお伺いをしたいと思いますが、財政課以外が所管をいたします特定目的基金について、予算編成を通じて、次年度だけではなく、次年度以降の基金事業の進行状況に合わせた取崩し予定額を把握する必要があると思います。しっかりとした取崩し額を多く捻出する必要があると私は思っております。  他県では、基金の運用は次年度以降の予算・収支と深く関係があることから、予算編成の過程で各基金の所管所属の意向を確認することができる財政部局が借入れと併せて基金の運用を行っている自治体は、非常に的確な運用を行っております。  当県においても、運用を行う会計部局が各部局に要請する形で基金を出していただいている、こういうのが今の現状でありますが、中長期的な見通しや計画を作成する財政部局が主体的に全ての基金の増減予定額把握し、収益確保につなげることが大変重要である、それがまた基金の確保を増大することと思っておりますが、財政を所管されています江島副知事にお伺いをしたいと思います。 ◎副知事(江島宏治) (登壇)お答えいたします。  県におきましては多額の財源不足が見込まれる中、歳入確保の一つの手段として、基金の効率的な運用は大変重要であると認識いたしております。  各部局が所管する多くの特定目的基金は、その目的に沿って計画的に取り崩しているところでありますが、琵琶湖管理基金や公共建築物等長寿命化等推進基金などは、中長期的な財政収支を見通した活用を想定しております。  財政当局で主体的に運用すればどうかとの御提案いただきましたが、これまでからも、会計管理者によりまして、各部局の基金の執行計画を調査し、効率的な運用を図ったところでありまして、より長期の状況調査も視野に入れながら、さらに精緻な状況把握に努めてまいりたいと存じます。  加えまして、会計管理者と財政当局で財政収支見通し等に基づく基金の増減見込み等の情報共有を行うなど、これまで以上に連携し、長期の債券運用が可能な基金残高を的確に把握することで、より効率的な基金運用を図り、一層の歳入確保につなげてまいりたいと考えております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)何かうまく答弁をまとめられたんですが。会計当局と協力してとかいう話であったんですが、やはりこの説明しましたように、捻出をするためにはどういうふうな基金であるというのは、当然各部局が理解をしていますが、一つ一つによって方針が決められないというのは分かるんですが、一定的な方針が、今、捻出方法の方針というのが定められてないというのが私の今認識状況だと思います。  それをしっかりと財政部局が目を光らせながら、「いや、まだ出るんちゃうか」「もうちょっと出したほうがええで」というような協議をやっぱりその部局と財政部局が一番できると思うんです。来年度予算もつくらないけない、今後の方針も、一番財政部局、特に総務部局も分かっておられると思うので、そこら辺にしっかりとした考えを示していただきたい。  僕は、会計はやっぱり運用を専門にしていただく。それだけでも大変な作業やと思います。それによって大きな利益を上げていただいているんですから、ここは少し離して、捻出に関してはやっぱり財政部局、特に総務部局も含めて今後検討をしていただきたいと思うんですが、再度、江島副知事にお伺いをしたいと思います。 ◎副知事(江島宏治) お答えいたします。  議員おっしゃるように、県にたくさん特定目的基金を持っておりまして、各部局でそれを管理しているというところであります。  御案内のとおり、地方自治法におきましては、「基金に属する現金の出納および保管」は、会計管理者の職務権限と規定をされております。また、本県の財務規則におきましても、会計管理者が資金の効率的な管理を行うこと、その管理には運用も含めてということになっております。  とはいえ、議員御指摘のとおり、予算と収支が深く関係しているということもまた事実であります。特に今はコロナ禍でありまして、毎定例会議に補正予算をお願いする、あるいは臨時会議におきましても補正予算を計上するといった状況がありまして、従前に比べるとその頻度が増しているということもありまして、予算と収支、しっかり見ていく必要があるものと思っております。  当然、お金の出し入れが頻繁になりますと資金管理が大変になってきますし、また、キャッシュフローの状況等を見据えるということも重要になってまいりますので、この辺り、弾力的に資金を運用する必要があるというのはまさにそのとおりだと思います。  こうしたことから、機動的で効率的な基金運用はもとより、基金の積立てや取崩しの見通し、あるいはキャッシュフローの状況、債券市場の情報など、会計管理者と財政当局がより連携を密にすると、情報を共有するといったことをしながら、さらなる収益確保に努めてまいりたいと考えております。  基金の状況、当然会計管理局から調査はしますが、そこに、財政当局も入って、予算と合わせながら管理していくということは大事かと思いますので、議員のおっしゃることを参考にしながら取り組んでまいりたいと思っております。 ◆3番(柴田清行議員) (登壇)他の都道府県と比べると、基金の額というものはべらぼうに多いという部分ではないと思います、滋賀県は。しかしながら、同じ規模の都道府県あたりでも、滋賀県のこの基金運用の利益より数倍の利益を上げているというとこもあります。  それも含めて、もう少しやっぱり基金の捻出方法については今後議論が必要だと思いますし、それによって県民に安心・安全を与えるという部分もあろうかと思います。  これからの基金運用、会計管理局と併せて、総務部局、また、財政部局、よろしくお願いしたいと思います。  これで終わります。(拍手) ○議長(富田博明) 以上で、3番柴田清行議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時58分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○副議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、23番海東英和議員の発言を許します。 ◆23番(海東英和議員) (登壇、拍手)通告に従い、菜の花プロジェクトの価値と進化についてから4問質問をさせていただきます。  2001年に第1回菜の花サミットを主管した新旭町では、先行の愛東町に倣い、菜の花を集団転作作物として栽培し、食用油は給食で天ぷら油として使い、油かすは肥料として生かし、市民からの廃食油回収とBDF──バイオディーゼル燃料に精製する作業を熱心な知的障害者共同作業所で行っていただき、福祉財源でも支えられ、資源循環を試してまいりました。  合併した高島市でも、保育園のお迎えバスやパッカー車の燃料としてR100で7万リットルが循環し、B&Gの温水プールのボイラーもヤンマーさんと共同実験でBDFで運転していました。  そして、意欲的な農家は菜種を栽培し、自家栽培の燃料でゼロエミッション農業を完結することにも取り組まれ、燃料ホースを植物油に強いホースに替えるだけでディーゼルエンジンが正常に運転できる経験もしてまいりました。  この時代は地球環境に関心が向けられ、県庁には初代プリウスが並び、1998年頃には愛東町の菜の花エコプロジェクトが全国のお手本になっていた時代です。私は國松知事から知事室で菜の花プロジェクトを勧められたことを覚えています。フローティングスクールうみのこにBDFが使われたのも2001年とされています。  さて、石けん運動から生まれた菜の花プロジェクトの全国ネットワークを20年にわたり支えてこられたNPOも、今年の栃木県小山市の全国サミットを最後に20年の活動を閉じようとされています。この活動にかけがえのない人生の時間をささげてこられた方々に心から敬意を表しつつ、この機会に改めて考えてみたいと思います。  石けん運動から、廃食油のリサイクルにとどまらず、減反や遊休農地で菜の花、菜種生産、乾燥・搾油の工程の整備、給食や食育の現場での活用、廃食油回収とBDF化の精製工程の確立、軽油代替燃料としての普及、CO2の削減と地域資源循環の輪を結んだのが菜の花プロジェクトだと思います。  この滋賀県で生まれ育ち、全国に広がった菜の花プロジェクトの価値を滋賀県はどのように評価認識されていますか、知事にお尋ねします。  今年40周年を迎えたびわ湖の日は、滋賀の女性たちが未来を変えた運動の記念日であり、志を継承する日ではないでしょうか。  子供たちを肌荒れから守り、琵琶湖を救うために、女性たちは石けん運動に立ち上がり、富栄養化防止条例を成立させ、並行して廃食油回収と石けんの製造を進め、その刹那、品質問題を突きつけられ、廃食油石けんの品質を改良し、余る油をバイオディーゼル燃料にと活路を見つけ、菜の花プロジェクトへと展開してこられました。石けん運動に立ち上がった方々の言わばびわこプライドとも言える偉大な魂を継承することが、滋賀の強みになると思います。  そして、教科書で琵琶湖の汚染を学び、記憶するよりも、琵琶湖を守った偉大なるお母さんたちの日本の地方自治上の偉業を学び、今を生きる私たちに託されている使命を感じて、そして、使命に目覚めてほしいと思うのであります。この点を知事はどのようにお考えでしょうか。  今日は菜の花プロジェクトを軸に、環境政策に提言を試みているわけですが、7月のびわ湖の日40周年記念事業で紹介されたMLGsには菜の花プロジェクトの記述がなく、食用油は使い切る、捨てるときに絶対に流しには流さないとしているのみです。なぜ県が率先し廃食油をバイオディーゼル燃料にし、うみのこにも県庁バスにも使っているのか。長年培ってきた県民の知恵が継承されていません。  SDGsに引っ張られ、ロゴや印刷はカラフルになりましたが、わざと曖昧表現で、日付もなく、MLGs推進委員会と世話人会にも特別委員会で指摘がありましたが、一方通行で、議会議決を必要としない計画や戦略、アジェンダが次々と策定されていきます。そして今、新たに2050CO2ネットゼロ計画に取り組んでいます。  たくさんある計画、知事も大変だと思いますが、どのようにかじ取りをされますか。  愛・地球博を開催した愛知県は、菜の花エコプロジェクトを食育消費流通課が担当して、32市町49団体の活動が県のホームページに紹介されています。滋賀県は市町の取組に違いがあり、県としてどのように向き合っていかれますか。  民間では、平和堂さんはじめ、県民生活に組み込まれて、持続可能な仕組みになっているものもあります。滋賀県には、菜の花プロジェクトにまつわる市町や企業の取組はどれぐらいあるでしょうか、お伺いします。  今日まで県民が開拓してきた石けん運動をルーツに持つ廃食油の回収システムとバイオディーゼル燃料化事業は、滋賀県らしい、全国に誇るべき環境自治だと思います。  また、滋賀県は、小型ディーゼルエンジンの父、山岡孫吉氏の故郷であり、ヤンマーさんには様々な協力をいただいています。滋賀県の個性として、BDFイエス、ディーゼルエンジンイエスを推進していくことはやぶさかでないと思いますが、どうでしょうか。  そして、滋賀は近畿で唯一のお米の移出県で、滋賀の農業の機械化が進んでいる特性があり、BDFはもっと活用可能と思います。これら優れた優位性を生かすときです。  これからの環境こだわり農業は、単に農薬や除草剤、濁水を減らすだけでなく、CO2の排出を率先して抑え、カーボンニュートラルな農業を目指し、時代の求める新たな付加価値を実現し、農家所得を向上させるものであってほしいと思います。  自家栽培した植物油を販売、循環させ、食を安全で豊かなものにし、廃食油をBDF燃料にリサイクルして再び農機具を運転し、ゼロエミッション農業を実現する菜の花プロジェクトの進化系が、令和のもうかる環境こだわり農業ではないかと思います。  市町の枠も超え、菜の花プロジェクトを育成することは、循環社会を見える化し、CO2ネットゼロ社会への協働を引き出してくれると思います。滋賀県を担う人材育成にも子供たちの環境学習にも最適です。  石けん運動からの魂を受け継ぐ菜の花プロジェクトを滋賀らしいCO2ネットゼロ達成の有効な手法として振興すべきと考えます。今後の県の政策対応をお伺いいたします。 ○副議長(岩佐弘明) 23番海東英和議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)菜の花プロジェクトの価値と進化について、5点御質問いただきました。  まず1点目、菜の花プロジェクトへの評価についてでございますが、菜の花プロジェクトは、再生可能エネルギーの拡大や循環型社会の形成といった観点からの取組を県民の皆さんのムーブメントとして展開し、さらには、そうした様々な観点からの学びを通じた人づくりという点で大きな意義があったと考えております。  再生可能エネルギー拡大の観点では、化石燃料に依存することにより豊かさを確保した一方で、地球温暖化や化石燃料の枯渇など様々な問題を引き起こしてきた暮らしに一石を投じ、生命の根源を支える農業基盤として循環地域社会、また、CO2ネットゼロ社会の先駆けとなるモデルを築いたものと評価しております。  循環型社会の形成の観点では、大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムを変える動きを生み出し、活動を地域や各分野へと広げる取組を通じて、県民だけでなく全国民のリサイクルに対する意識の向上に大きく寄与したものと評価しております。  こうした先進的な取組が滋賀の地に生まれ、住民の皆さんが自ら考える自律と自ら率先して行動する自立によるムーブメントとして全国に広がったことを、菜の花プロジェクトネットワークの設立から20年がたった今、改めて誇りに思っているところでございます。  2点目、石けん運動に立ち上がった人々の願いの継承についてでございますが、石けん運動に代表される県民挙げての環境保全活動は現在も続いており、7月1日、びわ湖の日前後には、毎年10万人もの方が琵琶湖を美しくする運動に御参加いただいております。  また、本県発祥の菜の花プロジェクトは、本県のみならず、被災地である福島をはじめ、全国にも、そして世界にも広がってきていると承知をしております。  議員に御指摘いただいたように、こうしたことは琵琶湖を有する本県ならではの取組であり、本県のみならず、日本の地方自治の歴史の中でも特筆されるべきことであると認識しております。  県民自らが立ち上がり琵琶湖を守ってきた先人の取組をありがたく、また、尊く思い、その思いを今を生きる我々がしっかりと受け継ぎ、語り継ぐとともに、県民のみならず、下流域に対しても、琵琶湖の多様な価値も含めて広く情報発信し、琵琶湖を守るための様々な活動への理解と参加を促してまいりたいと存じます。  3点目、かじ取りについてでございますが、マザーレイクゴールズは、琵琶湖版SDGsとして、母なる琵琶湖を守るという私たちにとって身近な切り口から、県を含む多様な主体が自発的、主体的な意思に基づく行動を琵琶湖との約束として表明し、無理なく参画できる仕組みとして、マザーレイクゴールズ推進委員会において取りまとめられたものでございます。  県は、具体の施策を通じてマザーレイクゴールズに参画し、リアルな課題に対応することとしております。  御質問のCO2ネットゼロについては、現在、条例や計画の検討を進めているところです。こうしたネットゼロ社会に向けた取組は、MLGsのゴール7「びわ湖のためにも温室効果ガスの排出を減らそう」でありますとか、ゴール8「気候変動や自然災害に強い暮らしに」などの達成に向けた取組とも共通するものであり、MLGsの多様な皆さんとの協働の枠組みも活用し、相乗効果の下で施策のかじ取りを行っていきたいと存じます。  4点目の菜の花プロジェクトに取り組んでいる市町、企業の状況についてでございますが、菜の花プロジェクトとしての活動は多岐にわたっておりますことから、全体を把握することは困難でございますが、県内ではこれまで、19全ての市町と少なくとも18の団体が菜の花プロジェクトに積極的に参画され、活動を展開してこられております。  具体的には、市町では、家庭からの廃食油を分別回収しBDFとして資源化したり、小学校における菜種栽培から廃食油活用までを通じた環境学習を実施しておられます。民間事業者では、自ら廃食油の改修、BDF化、販売までを行い、循環の仕組みをつくられているところもございます。  5点目、菜の花プロジェクトに対する県の政策についてでございますが、CO2ネットゼロ社会の実現に向けては、菜の花プロジェクトの取組を継続的に実施していただくとともに、“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントを県民運動として展開していく大きな視点で見れば、県民や事業者等の自主的な活動を喚起する非常に優れた取組例でありますので、このような取組がさらに広がるよう期待しているところでございます。  県といたしましても、循環型社会の形成の観点から、菜の花プロジェクトによって培われた県民の高いリサイクル意識を礎に環境意識を昇華させ、ごみを発生させないリデュースをはじめとした3R意識の醸成に向けた取組、活動を行ってまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)続いて、廃食油リサイクルとBDFの可能性についてを質問します。  バイオディーゼル燃料を化石燃料に置き換えると、1リットル当たりCO2、2.6キロ削減と言われています。CO2ネットゼロに貢献すると思うんです。  EU委員会は過大な期待はできないとしながらも、特にディーゼルエンジンの母国ドイツを中心に実用化されている社会があり、そもそもディーゼルエンジンはピーナツ油で開発されたとおり、植物油と相性がよいのであります。日本政府のバイオマス総合戦略でも、実用化の段階に入った技術であると位置づけられています。  滋賀県は、日本の小型ディーゼルエンジンの生みの親、山岡孫吉氏のふるさとであり、ディーゼルイエスの先頭に立つことはやぶさかでないと思うのです。実際、琵琶湖大橋を渡る路線バスや県立大学の送迎バスはじめ、滋賀県の環境政策の看板の一つであり、BDFによるリサイクルの見える化であると思います。  化石燃料の軽油を地元産のリサイクル植物油に置き換える政策を知事はどのようにお考えですか。  滋賀県が誇るフローティングスクールうみのこは、今もバイオディーゼル燃料で航行しているでしょうか。うみのこのホームページには、そのことの記載が見つかりません。教育素材としても、「天ぷらの廃食油を持ち寄って精製したらこんな大きな船が動くんだよ」と、資源の循環を理解し、創造力を培うワンダフルなテーマと思います。  改めて環境学習の学びとしてぜひ明記されたいが、どうですか。  さて、うみのこのバイオディーゼル燃料は、必要量はどれほどで、どのように調達していますか。その運用について、琵琶湖汽船とどのような協力をしていますか。  第5次滋賀県廃棄物処理計画に項目を立てて取り上げられていないので問います。  廃食油の総量、どれだけと見込んでいますか。  滋賀県の廃食油のリサイクル率はどのような状況ですか。  そのうち掌握しているBDFの使用量は、滋賀県の排出する廃食油の何割を占めますか。  BDF以外はどのように活用されていますか。  滋賀県の廃食油は、一般廃棄物で家庭からのものと給食センターや個人飲食店由来のものも一緒に収集されていたり、自治体によっては焼却処分されていたり、産業廃棄物であったり、市町ごとの政策で処分や利用実態が違うと思われます。実態を集計、掌握するのに妨げとなるものはどのようなことですか。  滋賀県には収集された廃食油を精製しBDF化することのできる事業者数と生産能力はどれくらいありますか。  滋賀県は、これらの現状から、CO2ネットゼロ政策において、廃食油のリサイクルとBDFをどのようにしていくおつもりですか、お尋ねします。
     関西広域連合では水素ステーションの目標箇所数は明示されています。担当は滋賀県であります。  では、バイオディーゼル燃料のステーションの設置目標は議論していますか。官でするか、民でするか、民なら公共性の高い事業に対し支援策は検討されているか、問います。  2050年CO2ネットゼロが国を挙げてのテーマになり、割高でもカーボンニュートラルが優先する時代が来たようです。本年度予算にはグリーン電力の入札購入予算が計上され、優先すべきかを問いかけましたが、時代の要請を如実に反映していることは理解します。  廃食油をBDFとして見事に活用しているお手本にお隣の京都市があります。人口141万人の滋賀県に対し、人口146万人の京都市が1つの政策で動いています。BDFは市のクリーンセンターで精製し、そこに給油所も設け57万リットルを活用し、年間1,500トンのCO2削減をしていると公表しています。  BDFのクオリティーも高く、パッカー車はR100、市バスはR20で運転されているとあります。全国に先駆けてBDFを活用してこられ、平成19年のパリ・ダカールラリーにおいて片山右京さんにBDFを提供し完走させるなど、アクティブでもあります。  さりながら、滋賀県も愛東町がバイオディーゼル燃料活用の草分け的存在であり、農を取り込み、菜の花プロジェクトとして循環サイクルを初めて結んだ存在であります。そして、琵琶湖の石けん運動から廃食油回収システムが県民の手に残っております。環境先進県の気概を示したいと思います。  実際の廃食油リサイクルを考えると、一つの政策で動いている京都市と、一般廃棄物は19市町それぞれの方針があり、また、産業廃棄物を県が所管している滋賀県として、現在の立ち位置が大きく違うと思います。  このたびの2050CO2ネットゼロを実現していくために、市町と協力して、例えば県全域の廃食油リサイクルとBDF化をバックキャスティングで政策整理するチャンスと思います。そして、それにとどまらず、2050年を視野に、一般廃棄物の焼却場の効率的広域化や生ごみの堆肥化施設、それらの熱や発電の利用など、141万県民と事業者に最もふさわしい推進体制構築に向け、マインドセットを変えるチャンスと思います。  自家用車の分野では、ガソリンエンジン車から電気自動車や水素自動車への転換が進む趨勢ですが、大型のバスやトラックのディーゼルエンジン車はどのように推移すると考えられるでしょうか。  燃料を変えれば、カーボンニュートラルに近づく道があります。オイルショックを機に政策を整えたドイツと違って、日本はこれからです。BDFと軽油の価格差はCO2排出を取り戻すコストは乗っていないので、評価も変わっていくはずです。  エネルギー政策は自治政策です。2050年CO2ネットゼロからバックキャスティングで始まる滋賀らしい自治の再構築にエールを送り、滋賀県知事のお考えを伺います。 ◎知事(三日月大造) 廃食油リサイクルとBDFの可能性について、こちらは8点御質問をいただきました。  まず、1点目の軽油をリサイクル植物油に置き換える政策についてでございますが、廃食油をリサイクルしBDFとして化石燃料に置き換えることは、議員御指摘のとおりCO2ネットゼロに貢献するものであり、また、資源の有効活用やエネルギーの地産地消にも資するものと考えております。  BDFの利活用につきましては、県も1事業者として公用バス等の燃料として利用に努めておりますほか、滋賀県グリーン購入基本方針において、物品の試行調達品目に掲げているところでございます。また、一部、建設機械等への利用も行われていると承知をしております。  御協力の広がり、コスト、税制の課題、これらを克服することで、廃食油の回収、BDFの活用とともに拡大し、この取組が県民に理解され定着することを通じて、より地域での資源循環が促進されると考えております。  2点目、うみのこにおける環境学習の学びとしての利用、また、ホームページへの明記ということについてでございますが、うみのこは現在、軽油とBDFを燃料として運航しているということでございます。このBDFについては、うみのこの船内で実物を展示し、児童への啓発を行っているところでございます。  今後は、教育委員会においてBDFについての掲示パネル等を船内に設置したり、ホームページで環境教育の一環として紹介したりして、うみのこで環境に優しいBDFを使用していることを子供たちにしっかり伝えていくと聞いているところであります。  3点目、うみのこのBDFの必要量および調達についてでございますが、うみのこにおけるBDFの必要量は、1航海当たり、現在の1日航海では約80リットル、なお、1泊2日の航海では約210リットルが必要となるということでございます。  船舶の燃料については、安全運航上、大変重要な要素であるため、運航管理業務を委託しております琵琶湖汽船において、その品質と安定供給とを考えながら適切に調達いただいております。また、琵琶湖汽船からは、定期的に燃料の使用状況等について報告を受けるとともに、安全運航に関しての意見交換をするなど、協力を行っていると聞いております。  4点目の県内の廃食油の総量、リサイクル率等についてでございますが、環境省の一般廃棄物処理実態調査によりますれば、令和元年度実績で、県内12市町が廃食油を資源ごみとして分別回収されており、その総量は104トンとなっているということでございます。また、これらは主にBDFとして活用されているとのことでございます。  廃食油の分別回収をしていない市町では、大部分が紙や布で染み込ませたり凝固剤を用いて固め、可燃ごみとして排出されていることから、廃食油の総量やリサイクル率については把握できていないという、そういう実態がございます。  また、市町による回収とは別に、民間事業者による回収、資源化も実施されており、主にBDFのほか、石けんや家畜飼料、餌ですね、飼料などに再生されているとのことでございます。  5点目、廃食油の実態を掌握するのに妨げ、課題となる点についてでございますが、全国油脂事業協同組合連合会の資料によりますと、令和元年度において全国の事業所から排出される廃食油は年間42万トンで、このうち、飼料、餌としての再生利用が最も多く、次いで、BDFやボイラー等の燃料、石けんや塗料、インキ等の原料に活用されているとのことでございます。  全国の家庭から排出される廃食油は年間10万トンで、主にBDFと石けんに活用されていると推計されております。  しかしながら、滋賀県の実態といたしましては、家庭から排出される廃食油は、先ほども述べたように可燃ごみとして排出されているものもございますため、総量を把握することは難しいということでございます。  また、事業所から排出される廃食油は、廃棄物処理法上、産業廃棄物の廃油に区分されますため、廃食油だけの統計データがないことや、有価物として取引されることもあり、詳細が把握できていないという実態がございます。  6点目、CO2ネットゼロ政策における廃食油のリサイクルとBDFについてでございますが、県内では、廃棄物を有効活用する観点から、12の市町が回収拠点を設けるなど、一般家庭から排出される廃食油の回収に積極的に取り組まれております。  また、全体の生産能力等は把握できておりませんが、民間の事業者において、回収からBDF化まで自ら仕組みをつくられ実践されている事例がございます。  廃食油のリサイクルを県民や事業者等が主体的かつ先進的に取り組んでいただいているということが大変重要であると認識しており、CO2ネットゼロ社会の実現に向けては、BDFの取組を継続的に実施していただきたいと期待をしているところです。  このような優れた取組を引き続き積極的に情報発信するとともに、CO2ネットゼロの観点からも、県内の事業所に対するBDFの活用について働きかけてまいりたいと存じます。  7点目、バイオディーゼル燃料ステーションの設置目標とその支援策についてでございますが、現時点において、県内のバイオディーゼル燃料ステーションの設置目標は掲げておりません。  廃食油のリサイクルとBDFの活用については、これまで、沖島・菜の花プロジェクトや民間事業者による廃食油のBDF化の取組をホームページ等で動画配信し県民へPRすることでありますとか、廃食油のリサイクルを進めるため、家庭からの回収拡大について市町等との意見交換を行ってきたところでございます。  しかしながら、回収に要する経費が負担となることや、汚損、異臭等により回収場所の管理が困難であること、廃食油の需要やBDFの供給量が把握できていないこと、あるいはBDFを使用する側のコスト面での課題等があり、大きな展開には至っていないということから、県としては、改めてこの課題について整理し、検討していく必要があると考えております。  8点目、CO2ネットゼロ計画から始まる滋賀県らしい自治の再構築についてでございますが、CO2ネットゼロ社会の実現に向けて、これまでの発想を転換し、県と市町、県民や事業者等、それぞれが果たすべき役割と連携の下、取組を進めていくことが大変重要であると認識しております。  さきに述べたとおり、菜の花プロジェクトは、住民の皆さんが自ら考えられる自律──おのずから律する──と、おのずから率先して行動する自立──自ら立つ──によるムーブメントとして全国に広がった滋賀が誇るべきものであります。よりよき自治を目指すよき先例にもなると考えております。  石けん運動から始まった県民や事業者の皆さんによるこうした活動が40年を迎えた今、これまでの取組を踏まえ、2050年を目指した新たな計画の策定を契機として、県がCO2ネットゼロ社会づくりの全体の旗振り役となって、BDFの取組についても市町等に働きかけてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)具体的で積極的な部分もある答弁、ありがとうございます。  続いて、「田んぼは油田」エネルギーの地産地消についてを伺います。  持続可能な高島市をテーマに研修会をしたことがあります。京都大学名誉教授で、その後、琵琶湖環境科学研究センター長として御尽力いただいた内藤正明先生が環境負荷を表す地図を示され、びっくりしました。自然の生産機能そのものである田んぼが環境負荷で真っ赤であったのです。  農業機械の作業は温暖化ガスを排出するものであり、農作物はカーボンニュートラルであっても、トラクターやコンバインや各種農作業は総じて化石燃料に頼り、CO2を排出していたのであります。今も化石燃料で生産行為を行う田んぼやハウス等はCO2排出装置になっています。農は自然に優しい、自然と共にあるなりわいだと思ってきましたが、正確でなかったことを痛感しました。  しかし、田んぼは油田でもあり、化石由来でない油を作れるのであります。  国はパリ協定を受け、平成31年4月の脱炭素化社会に向けた農林水産分野の基本的な考え方で、2016年の温室効果ガス総排出量13億700万トンのうち、農林水産業からは5,060万トン、3.9%として、2050年の脱炭素化への野心的なビジョンをまとめています。  そこには、農業機械、除染等の電化や燃料電池化等の技術導入による化石燃料起源のCO2ゼロエミッションが掲げられています。しかし、一足飛びに水素に代われるものではありません。  滋賀県の農林水産分野におけるCO2の排出総量はどれぐらいで、どのような方法でCO2ネットゼロに立ち向かおうと考えているのか、お尋ねします。  国のバイオマス総合戦略に対して滋賀県はどのように対応してきましたか。  全国19道府県でバイオマス活用推進計画が策定されており、国は2025年までに全都道府県で策定されることを目標に掲げています。バイオマス活用推進について、滋賀県のもくろみはどうですか。  少し具体的な数字を確認したいと思います。  滋賀県の農業分野における化石燃料の消費量はどれぐらいありますか。滋賀県のトラクターは何台あり、どれぐらいの軽油を使っていますか。BDF1リットルでCO2、2.6キロの削減とのことですが、滋賀県で農業分野でのBDF活用はどのような状況ですか。  生産の視点から伺います。  滋賀県の経験で、1ヘクタール当たりどれぐらいの菜種が生産できますか。それは一般的に何リットルの油と何キロの油かすになりますか。水稲を1ヘクタール耕作するのに年間どれだけの軽油を必要としますか。例えば、耕作面積の何割分で菜種を栽培すると燃料の自給が成り立つでしょうか、伺います。  そして、なぜ栽培できるのに農家はバイオディーゼル燃料用の植物油を生産しないのか。どこに妨げる要因があるのか。搾油や精製設備の問題か、はたまた補助金制度か、減反政策か、何があるとお考えでしょうか。  エネルギー作物、菜種やヒマワリや大豆などを作れば、田んぼは油田と化します。  栽培面を問います。  水稲と菜種の二毛作が人力農業の時代は行われていました。二宮尊徳の時代からです。現在でも可能ですか。転作作物として助成を受け、栽培することは可能ですか。その課題は何ですか。滋賀県営農指導の経験も併せ、本県の気候と目的別に菜種品種はどのようなものが適していますか。  そば用の普通コンバインでメッシュだけ替えて収穫した経験があり、種まきから収穫まで既存の設備で対応できる範囲が大きいと思いますが、機械設備面での課題は何でしょうか。水素や電動トラクターの未来とBDFトラクターと、どちらが経済的負担と環境負荷が少ないでしょうか。克服すべき軽油引取税の課題はありますか。農業の場面で公道を走らない場合は、R100で走行は許されますか。  環境こだわり農業の構成要素に、新たにCO2排出量の低減を加える時代が来たと思っています。  例えばドラム缶で配達される免税軽油をBDFに変えるだけで、特に煩雑な手間を増やすことなくネットゼロ農業が実現します。令和の環境こだわり米は、ゼロエミッションの価値が評価され、その分高く売れ、農家所得が増えることが期待されます。令和のもうかる環境こだわり農業で、水素トラクターを買う資金がつくれるように応援できないでしょうか。  現時点では先進性があると思いますので、滋賀県農政としてこの可能性を現実化してほしいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。 ○副議長(岩佐弘明) 海東議員、答弁者を指定ください。 ◆23番(海東英和議員) 全て知事にお願いしています。 ◎知事(三日月大造) 「田んぼは油田」エネルギーの地産地消というテーマで、こちらは7点御質問をいただきました。  まず、1点目のCO2排出量と今後の方針についてでございますが、2018年度の本県の農林水産業分野における温室効果ガス排出量はCO2換算で7万4,000トンでございまして、県内総排出量の0.7%を占めております。  このことを踏まえ、今年度、農林水産業分野におけるCO2ネットゼロ実現と気候変動への適応を目指した(仮称)みらいを創る しがの農林水産業気候変動対策実行計画の策定を進めているところでございます。  本計画では、2050年のCO2ネットゼロ実現に向け、環境こだわり農業の推進や地産地消といったこれまでの取組に加えて、温室効果ガスの排出抑制を進めながら、同時に気候変動への適応にもつながる取組等、新たな発想による施策の推進や試験研究を盛り込んでまいる所存でございます。  2点目、国のバイオマス総合戦略等への対応についてでございますが、国のバイオマス・ニッポン総合戦略の対応に当たり、本県ではバイオマス利活用のための手引を作成して、各市町におけるバイオマスの利活用の支援に努めてきたところでございます。  また、バイオマスの活用につきましては、さきの回答で申し上げた気候変動対策実行計画の中に盛り込み、推進してまいりたいと考えております。  3点目の農業分野における燃料の消費量等についてでございますが、本県の農業分野での化石燃料の消費量は、2018年度の全国のエネルギー消費量と農業産出額の割合から試算をいたしますと、2万3,000キロリットルとなるということでございます。  また、本県のトラクター所有台数は、2015年農林業センサスでは2万41台でございまして、軽油の使用量は、全国のエネルギー消費量から幾つかの仮定に基づき試算をいたしますと、約2,300キロリットルと推計できるということでございます。  また、BDFを使用されている農業者でございますが、高島市内において米や野菜を栽培されておられる7名が、市内の事業者からBDFを購入し、トラクターで使用している事例があると承知をしております。ほかにないのかと尋ねましたら、農業用として使用されている方が確認できているのは、この高島市の事例のみということでございました。  4点目の菜種の生産状況、その活用および課題についてでございますが、本県の菜種の過去10年間における1ヘクタール当たりの平均的な生産量は約1トンでございまして、約300リットルの油と700キログラム程度の油かすが得られると考えられます。  水稲1ヘクタールを耕作するのに必要な軽油の使用量は約200リットルでございますが、菜種を栽培するためにも約180リットルの燃料が必要であり、ほかに回せるのは約120リットルでありますことから、1ヘクタールの水稲を生産するのに約2ヘクタールの菜種栽培が必要となり、この菜種だけで軽油の自給を行っていくことは困難であると考えております。  また、菜種を生産する上での課題でございますが、本県では水田での生産が多く、排水性が悪いことにより収量が低く、収益性が低いことであり、流通面におきましても、外国産より価格が高く、需要が少ないことなどがあるということでございます。  5点目、菜種栽培についてでございますが、水稲と菜種の二毛作は、菜種の収穫が6月中旬となりますことから、現在5月に行われております田植を7月まで遅らせられれば可能となりますが、水稲の生産に影響が出ると考えられます。  また、菜種を米に代えて栽培することは可能でございますが、燃料用途に生産する場合は、経営所得安定対策のうち、数量払いの助成金の対象にならないという制度上の課題がございます。  本県に適した品種ということでございますが、燃料としての活用については、従来からオオミナタネという品種が作付けられているとのことでございます。食用とする場合は、この品種は心臓疾患を引き起こすと言われるエルシン酸が多く含まれているということから、エルシン酸を含まない、例えば、ななしきぶという品種が適していると考えられるそうでございます。  設備面での課題でございますが、収穫作業については、米、麦用として一般に使われているコンバインとは異なる機種が必要であると認識しております。  6点目、BDFを利用する場合の制度等についてでございますが、水素や電力で稼働するトラクターについては、一部企業において試作、開発段階の状況にあり、現時点でBDFとの経済的負担や環境負荷の比較は困難でございます。  軽油引取税に関しては、BDF100%は軽油が使われていないため、課税対象ではございません。  また、ナンバープレートのあるトラクターにつきましては、公道を走る走らないに関わらず、BDF100%を燃料とする場合、車検証変更手続が必要となるとのことでございます。  7点目、環境こだわり農業・農産物の構成要素にCO2の排出量の低減を加えることについてでございますが、本県では、全国に先駆けて取り組んできた環境こだわり農業と併せて、環境直接支払交付金を活用し、CO2の排出削減など地球温暖化防止等に効果の高い取組を推進し、令和2年度の取組面積は約1万2,500ヘクタールと、耕地面積に対する割合は日本一となっております。  今後、CO2ネットゼロ、グリーン化の時代におきましてもトップランナーであり続けるために、CO2ネットゼロを環境こだわり農業の中心的な課題として捉えることが重要と認識しており、その方策について検討してまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)今の答弁は、希望的な角度から見てないことが残念です。収量は全国的に多いとこは250キロぐらい、10アールで取れます。なのに100キロで今、換算しています。愛東町でも170キロから200キロ取られた事例もあるので、何でそういうマイナス思考なのかと思いますし、エルシン酸の含有というのはもうとっくに克服して、みんなその、ななしきぶで、いわゆる体によい食用油としても評価されている時代ですので、いろいろと可能性のほうに目を向けてほしいなと思うわけであります。  それから、コンバインも別のが要るということですが、答弁協議では、普通コンバインでもできるやんという話で共感していたので、もう一度農政部局も前向きに、どうしたら農家がもうかるかということで僕も提案しますので、十分に御検討いただくようにお願いしたいと思います。  それでは、4点目、カワウ対策について伺います。  先般の琵琶湖保全再生推進協議会では、Zoomで拝見しました。関西広域連合で連携して取組を進めていると、順調かつ効果的にカワウ対策に講じているとの報告でした。  確かに滋賀県のカワウ対策は、竹生島などの大規模コロニーで銃器駆除により大きく生息数が減少しています。しかし、地域によっては県民の健やかな暮らしを妨害しており、対策が縮小し効果が発揮されず、より困難化してきた局面があります。このことを認識されていますか。  安曇川左岸の新旭町新庄から太田にかけての河畔林のコロニーが深刻な状況であり、対策を望んでおられます。県が安曇川の河川内の竹やぶを伐採してくださったことは、治水安全上歓迎することであり、心から感謝しておりますが、カワウのコロニーが丸ごと地域の集落や近接工場の緑地に集団引っ越しをし、地元から被害軽減や根本対策が求められています。  令和2年冬に高島市が県と協力して実施した生分解性テープなどで営巣を妨害する政策は、効果を発揮できなかったようです。その後、県は地域の被害軽減の訴えに対して、聞いてはくださるものの、カワウを減らす対策発令せず、秋を迎えることになりました。  土木交通部は大きな予算で竹やぶを伐採してくださったのですが、それに伴って引っ越ししたカワウ対策の政策については、どこにも予算が回せないような御返事であります。これから考えてほしいですが。  これから地元市と協力しながら、被害地域の県民の一定の納得いく対応を取っていただけるか、当局の考えをお伺いします。  ちなみに、岡山県ほかでは、カワウ駆除の政策で、駆除1羽当たり3,000円とか報奨金の制度を設け、漁協や猟友会などと協力して個体数を減じていく具体的な政策を展開しています。鹿やイノシシ、猿などと同じように、責任ある行政の政策的対応を求めるものです。  カワウは追い払うことができても、別の地域へコロニーが移動したら、根本解決になりません。広域で取り組んでいるとおっしゃいますが、被害地域では取組が見えず、責任回避しているように聞こえます。調査や研究の会議はあっても、カワウが減る具体的な成果が見えません。  10年前は竹生島を守るために年間1万羽以上捕獲していたので、減ったのであります。今と本気度が違い過ぎます。  広域連合でどのような知見を得て、どのような政策でカワウ対策をするのか。これまでの計画でも、ドライアイスによる繁殖の妨害や銃器による駆除、ほかの方法も記載されています。地元も努力をされています。県もできることを実行してほしいと思います。  被害地域の住民の願いを受け止め、県はどのように具体的な結果を出していくお考えか、知事にお伺いします。 ◎知事(三日月大造) カワウ対策について、3点御質問をいただきました。  まず、1点目のより困難化している局面の認識についてでございますが、本県のカワウは、竹生島、伊崎半島を中心に生息し、ピーク時の平成20年には4万羽近くに上りました。  このため、平成21年度から効果的な銃器駆除等に取り組んだ結果、近年は7,000羽前後で推移し、琵琶湖の漁業被害は低減され、また、竹生島や伊崎半島にも緑が戻りつつあります。  一方、カワウは、竹生島や伊崎半島以外の内陸部の河川等に分散し、令和3年5月時点で県全域で約1万2,800羽に増加しているということでございます。一部の地域では生活環境被害や河川の漁業被害が発生しており、議員御指摘のとおり新たな局面を迎えていると認識しております。  こうした課題への対応といたしまして、一部の地域では、市町等による銃器駆除や漁場を守るための防鳥糸の設置などを実施されており、また、県では関西広域連合の事業を活用し、地域でカワウ対策に取り組む体制の整備を図るなど、対策を実施してきたところでございます。
     さらに、今年度、市町漁業協同組合、有識者等で構成する滋賀県カワウ総合対策協議会において、今後のカワウ対策の方向性を議論し、県内を3つのブロックに分けて管理する構想の合意を得たところです。  今後はこの構想に基づき、関係市町や地元関係者等で情報共有し、きめ細かな対応を協議し、方針を決定した上で対策を進めていきたいと存じます。  2点目、安曇川コロニーでの対策についてでございますが、安曇川コロニーでは、昨年から生息数の増加に伴い、近隣集落でカワウによる騒音やふん害等の生活環境被害が顕在化していることを承知しております。  その対応のため、地元関係者、専門家、高島市および県によるカワウ対策の検討を行いまして、高島市により営巣木へのテープ張りやドローンによる追い払いなど、様々な取組が実施されているところでございます。  現時点で有効な対策が見いだせている状況ではございませんが、市や地元などの関係者と協働で対策の検討や実施を粘り強く行い、被害の軽減につなげていきたいと考えております。  3点目、具体的な結果を出していくことについてでございますが、安曇川コロニーでは様々な対策が行われておりますが、周辺環境や生息状況等から銃器の使用が困難など、既存の対策ではなかなか効果が見込めないなどの課題があるということでございます。  今後、地元関係者、市などと共に対策を検討する中で具体的な目標についての合意形成を図ってまいりたいと存じます。  その際には、周辺で生活をしておられる住民の皆様のお声を重く受け止め、地域の皆さんの御納得が得られる形で、具体的な結果を達成できるよう、最大限努めてまいりたいと存じます。 ◆23番(海東英和議員) (登壇)結果が出せるように最大限努力してくださるということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思いますが、このカワウ対策を1つ例に考えても、協議会をつくって、構想をつくって、情報を共有して進めるというこの方法が、いかにもこの頃県がはまっている現場と乖離した、営業マンが営業計画ばっかりつくっていて営業に出えへんような、いわゆる結果とか現場の実行ということにコミットせずに、県庁が計画づくり屋になっていたり委託屋になっていたりする方法に、はまっていないかということをあえて問いかけたいと思います。  そして、やっぱり県民は現実に生活していて、そこで助けてくれと言うたら、まず、どうできるんやろうというのが県の計画になかっても、例えば対応できる何か活路を見つけてやっぱり対応していくとか。  だから、このCO2ネットゼロっていうのもいっぱい計画があって、ぶら下がっているのがいっぱいあるんですけど、チャンスやと思うんです、どうするのかと。バックキャスティングって、言葉で言うより本気になることやと思いますので、このカワウもそうですし、やっぱり県庁の皆さんがぜひマインドセットを変えて、いずれのことにもさらに御努力いただくことを期待したいと思います。  コロナはじめ大変に頑張っていただいていることは理解しております。ですから、頑張れ、頑張れでやっぱり解決できないことは、組織の問題として、組織を変えたり、組織が効率を発揮できるようにやっぱり仕組みを変えていくということが大事だと思うので、このカワウ対策においても、ほかのことにおいても、一層の御活躍、御健闘をお願い申し上げまして、そして、感謝も申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、23番海東英和議員の質問を終了いたします。  次に、6番村上元庸議員の発言を許します。 ◆6番(村上元庸議員) (登壇、拍手)通告に従いまして、これからの林業施策について、分割方式で、全て琵琶湖環境部長に伺います。  「昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に」と、多くの昔話はここから始まります。  このように、昔から日本人は山から芝やまきを取って生活をするという、山とは切っても切れない関係を続けていました。  この中にも何人か経験されている方がおられると思いますが、私の家も子供の頃はお風呂はまきで沸かしていました。  日本では、太古の時代から現在に至るまで人々は森の恵みを受けながら生活し、木の文化を築いてきました。林業として木を切り、木材で住居を建設するための材料として、また、まきや炭などの燃料として多く利用してきました。  しかし、昭和30年以降に作業の効率化などによりまきや炭が消え、代わりに地下資源である石油やガスが燃料として一般的になってきました。いわゆる燃料革命です。さらに、戦後復興のため木材の需要が増えて、山から多くの木が切り出されました。国の政策により、山に木を植え、森林を造成する、いわゆる植林が盛んに行われました。  滋賀県においても、造林公社を中心とした大規模な森林造成が行われてきました。そのため、多くの林業従事者が雇われ、県外からも多くの人に来てもらいました。これにより、多くの人が森林に携わり、地域に移り住む人もあり、山村は活性化されていました。  そこで、このように造成された森林の資源は、現在どのような状況なのか、伺います。  また、このように造成された森林が増加する中で、木材の自由化等により安い外材に押され、国産材が売れない、県産材が利用されない状況が続いており、我が国の林業は長期にわたり木材価格の低迷により、本来の産業として厳しい状況が続いていると聞いています。  そんな中、今年、3月頃から住宅に使う木材の需要が逼迫して、木材の不足により価格が高騰し大きな混乱が生じ、ウッドショックと呼ばれています。これは、低金利政策によるアメリカで郊外に新しく住宅を購入するようになったことや、コロナ禍により木材生産国で製品の生産減によるもの、さらに、世界的に物流が増加する中でコンテナ不足が起きており、日本へ木材を運びにくくなっている状況によるものです。  現在では、米国ではある程度安定してきたようですが、日本ではいまだに木材製品価格が高止まりしている状態が続いております。  今回のウッドショックでは、木材がなかなか供給できない状況で、このように資源から木材への利用が進みにくい状況ですが、原木の供給元である川上、木材加工流通を担う川中の状況について伺います。  次に、林業施策の方向について伺います。  この周囲を見渡しても、森林資源は十分に育っているように感じられます。これには先人の林業者の方々の多くの苦労があったと思います。これだけ充実してきた森林資源を利用することが必要と考えます。  間伐による林業施業がなされていますが、木材などの林産物を持続的に生産するためには、植林、育成、収穫、植林、育成、収穫というサイクルを正常に循環させる必要があります。  林野庁では森林経営プランナーの育成を促進して、循環型林業を目指しています。  滋賀県で今年度から始まる第2期琵琶湖森林づくり基本計画では、森林を奥地など自然のサイクルにより維持される環境林と、立地条件などに優れ林業生産活動が促進される循環林に区分されたのは、合理的でよい考えだと思います。  滋賀県の20万ヘクタールの森林のうち、3万5,000ヘクタールの循環林を切る、使う、植える、育てるという林業の成長産業化に向けた健全なサイクルで回し、林業、木材産業の活性化を推進していただきたいと思います。  また、林業の成長産業化と森林の適正な管理の両立を実現させるために、森林経営管理制度がスタートしました。森林組合等が積極的に森林管理に関与して、地域林業の活性化に寄与することが期待されています。  ここで、林業の活性化と森林の若返りも必要であると考えますが、主伐、再造林も念頭に入れて、これからの森林資源の循環利用を進めるための方向性を伺います。  次に、施策の実効性について伺います。  先ほども述べましたが、第2期琵琶湖森林づくり基本計画の中で、川上においては林業を産業として成長させるという方針があります。活力のある林業生産の推進により森林所有者にメリットのある山に変えて、そして、それによって山林も過疎化を改善するなど活性化していくことは大変重要なことです。  現状では、我が国は森林所有者は83万戸あり、10万ヘクタール未満が約9割を占めていて、ほとんどの所有者が小規模零細型です。  2005年農林業センサスによりますと、山林を保有する家族経営体18万戸のうち、林業が収入の主体になっているのは1.7%とごく少数で、厳しい林業経営状態を物語っています。  また、所有者が不明な森林の存在は、国土交通省の2017年地籍調査では、林地において28%ありました。これは、所有森林に対して関心の低下等により、相続に伴う所有権の移転登記がなされていないことによると言われています。  それに加え、境界が不明瞭な森林も多くあり、問題となっています。これは、相続により山は保有しているが自分の山がどこにあるか分からない、また、高齢のため現地の立会いができないなどの理由からとアンケート結果が出ています。  このような状況の中でも、活力ある林業生産を推進し、林業の効率を上げるために、施業の集約化が重要です。  そのためにも、所有者の不明な森林対策と森林所有の境界明瞭化がなされ、森林所有者と境界の情報が一元的に把握され、整備されていることが不可欠で重要であると考えます。特に市町による整備も必要ですが、県としての支援について伺います。  川上の生産性が上がれば、その木材を利用する川中の製材所の生産性の向上は不可欠です。しかし、長引く木材不況や後継者不足により、川中における産業の中心である製材業は、県内では零細規模となっています。  近年の木材は、人工乾燥機で処理してから出荷することが標準になりつつあります。全国的には、プレカットの利用が大多数を占めており、県内のプレカット工場においても乾燥木材が中心となっていると聞いております。  しかし、県内の製材所においては、人工乾燥機を所有していることは少なく、製品の生産能力は乾燥機の台数で頭打ちになっています。機械の導入についても、人工乾燥機が1台数千万円かかり、さらに、乾燥機のかんながけなどの装置も必要になり、大きな投資となります。  今年の6月に県内の製材所を視察させていただきました。人工乾燥機も整備されておられましたが、月に50立米程度の生産でした。年間でも1,000立米未満しか生産できない状況です。先ほども言いましたが、今後に向けてなかなか投資もできない状況とお聞きしました。  1社ではなかなか量がこなせないので、数社で連携して数量をこなすようにされていました。地域のグループによって仕事をこなされており、非常によい方法だと思いました。  そこで、今後の木材の生産量を踏まえ、製材業をどのように進めていくのか伺います。  次に、林業施策の実効性を進める中で、人づくりについて伺います。  このように多々課題がある中で、これからの林業としては、川上では生産量の増加や川中での製材事業、川下での木材利用が共に林材流通の枠の中で連携し進めていくことが必要であると思います。  これらを進めていくには、地域を一体として取りまとめていく、人づくりが重要であると考えます。他県等においても、先進地域というと、やはりそこにはキーマンがいて、その人がうまく地域をリードしているように感じられます。  そこで、林業と山村地域の活性化を考える中で、人づくりの考え方について伺います。  最後になりますが、CO2の吸収源としての森林について伺います。  この頃、各国のCO2ネットゼロの取組により、世界的な木材需要の増加が見込まれていると耳にします。また、全国知事会において2019年、国産木材需要拡大宣言を決定し、地球温暖化防止やカーボンニュートラルの実現に向けて、全国各地で新たな国産木材の需要創出や情報発信、民間非住宅建築物や公共建築物の木造、木質化を推進してきました。  このように、世間ではカーボンニュートラルやCO2ネットゼロなどの言葉が行き来しています。  しかし、本当にCO2が温暖化の原因か議論もあり、ゼロまで持っていく必要があるのか、私自身、いまだ拙速とも言えるCO2ネットゼロ方針について承知しているわけではありませんが、目標としている森林づくりや林業活性化については同じ方向ですので、その点では歓迎しています。  そこで、森林をCO2吸収源としての考え方を伺います。  私の質問は以上です。 ○副議長(岩佐弘明) 6番村上元庸議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎琵琶湖環境部長(石河康久) (登壇)これからの林業施策についての7点の御質問にお答えいたします。  1点目の森林資源の現状についてでありますが、本県の森林については、約4割を占める人工林の多くが終戦直後や高度成長期に造成されたものであり、琵琶湖の水源林であるとともに、地球温暖化の防止や県土の保全など様々な役割を果たしております。  また、これらの人工林のうち、約6割が主伐による利用が可能な50年生を超え、本格的な利用期を迎え、充実しつつあるところでございます。  2点目の川上、川中の状況についてでありますが、川上においては、急峻な地形の森林が多い中、木材生産に必要な路網や施業地の集約化等の基盤整備が進んでおりません。また、間伐等を行う森林組合等の作業量は、現在の人員からすると上限で推移しており、今後、担い手を増やすことが不可欠でございます。  川中においては、県内の中小規模を中心とした製材所では、設備を最大限稼働させたとしても、木製品の大幅な増産は困難な状況にございます。  さらには、伐採後の森林の保育等の費用に対する森林所有者の不安や、輸入材が安くなれば事業がまた離れていくのではとの製材業の不安も大きく、それによる意欲の低下により、川上、川中での木材生産に対する投資が進まない状況もございます。  このことから、今回のウッドショックのような急激な木材需要の増加に対して、即座に県内の森林資源を伐採、加工して木製品を供給することは困難な状況でありますが、これを契機に、まずは県産材利用に対する理解を深めることにより、外国産材を県産材へ切り替えるウッドチェンジを進めていきたいと存じます。  3点目の森林資源の循環利用を進めるための方向性についてでありますが、人工林が利用期を迎え充実する中、森林の適正な管理を進め、林業を持続的に成長発展させるためには、切って、使って、植えて、育てるという森林資源の循環利用を促進していくことが必要でございます。  また、本年度を始期とする第2期琵琶湖森林づくり基本計画におきましては、立地条件や生育状況等から木材の生産に適したエリアを循環林と位置づけ、ゾーニングによる木材生産機能を重視した森林づくりに取り組んでいるところでございます。  森林資源の循環利用や木材生産を重視した森林づくりを進めるためには、議員御指摘のとおり、林業の活性化と森林の若返りが必要であり、そのためには、生産適地における主伐、再造林を促進させていくことが重要と考えております。  しかし、植栽、保育および獣害対策など育成初期に多くのコストがかかることが課題となっており、コストを抑えた林業技術の普及など、その負担低減に取り組んでまいりたいと存じます。  4点目の森林境界明確化の支援についてでありますが、これまで境界明確化につきましては、県と市町が連携して、令和2年度末までに約4,300ヘクタールを行ってきたところでございます。令和元年度からは、森林経営管理法に基づき、市町が主体となり、森林境界明確化を推進しております。  市町の境界明確化を促進されるよう、市町や森林組合等が構成員である滋賀県森林整備協議会を通じて、令和12年度までに複数の公図を結合させた合成公図を4万2,000ヘクタール作成し、市町に提供する予定でございます。  また、滋賀県森林整備協議会内に設置しました森林情報アドバイザーによる助言に加え、林業普及指導員による支援体制と併せて、引き続き支援していきたいと存じます。  さらには、今後は航空レーザー計測、解析により高精度の森林資源情報を把握して、市町や森林組合等に情報提供を行うことで、境界明確化の促進に寄与してまいりたいと存じます。  5点目の製材業をどのように進めていくのかについてでございますが、現在、本県では零細な製材業の状況を踏まえ、県内の製材所に対して、品質や規格が明らかなJAS製品を供給できるよう、JAS等の認定の取得への支援や、県内外の製材所の連携による地域ニーズに応じた県産材製品の供給が行われるよう支援しているところでございます。  昨年度、県内の素材生産量は約11万立方メートルでありますが、今後、これまでの間伐施業に加え、主伐施業の実施によって素材生産量が増加すれば、将来的には大量の素材を消費する規模の製材工場が県内でも整備可能となります。これにより、現在の地域の製材所を連携させる取組と併せ、需要側のニーズに応じた製品を低コストで安定的に供給できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  併せて、木製品が生活の様々な場面で使われるよう県産材の魅力を広く発信し、製材品の旺盛な需要の確保により、川中における製材業の活性化を図ってまいりたいと存じます。  6点目の人づくりの考え方についてでありますが、高齢化や過疎化が進んでいる農山村地域を活性化するため、現在、やまの健康の取組をはじめとした各種の施策を講じているところでございます。そのため、次の世代である若い人々が生活拠点を農山村に移し、そこで生活を営むことが活性化策の一つであると考えます。  生活拠点を農山村に置いて暮らしを営む上では、農山村においてなりわいとなるべき林業がしっかりとした力をつけることが重要であります。そのためには、林業成長産業化に取り組むとともに、林業の技術力と農山村での暮らしの知識を兼ね備えた人材の育成を図る必要があります。  このため、滋賀もりづくりアカデミーでは、林業に関する知識や技術の習得とともに、林業にプラスアルファの仕事、いわゆる半林半Xの足がかりとなる田舎暮らし編のカリキュラムを設定しているところでございます。  滋賀もりづくりアカデミーで学んでいただいた方々をはじめとして、これから農山村に安心して定住できるよう、林業への新たな参画を応援する取組や副業との両立が図れる仕組みづくりを目指してまいりたいと存じます。  7点目の森林のCO2吸収源としての考え方についてでありますが、本県の森林資源は利用期を迎え充実しつつあるものの、高齢化が進み成長が衰え、森林のCO2吸収量は減少する傾向にあるため、これらの豊富な森林資源の利用を通じて持続的に吸収源を確保していくことが重要と考えているところでございます。  このためには、計画的な除間伐による適切な森林の整備や主伐、再造林による森林の若返り、建築物等への県産材利用によるCO2の固定、さらには、再生可能エネルギーの一つである木質バイオマスの利用などの取組が必要と考えております。  また、国のJ−クレジット制度を活用したびわ湖カーボンクレジットの発行や企業等との取引を行うカーボン・オフセットの取組により、さらなる森林整備や吸収源対策を推進してまいりたいと存じます。  こうした取組により、再生可能な地域資源である木材の利用を促進させるとともに、琵琶湖の水源である森林の持つ多面的機能を発揮させることで、CO2ネットゼロ社会づくりに貢献してまいりたいと存じます。 ◆6番(村上元庸議員) (登壇)御丁寧な答弁、ありがとうございました。  森林の境界明瞭化というのは、やっぱり森林所有者の方の意欲を上げるためにも、林業を産業として成長させるためにも、これは非常に入り口で大事なことやと思いますので、先ほどドローンとか使ってとかいう話がありましたけど、ぜひICTとかドローンを使ったりしまして境界明瞭化、進めていただきたいと強く思います。  それと、今ちょうど山の木は成熟して切りどき、今はちょうど切りどきですので、循環利用ということで主伐、そして再造林というのはよく理解できます。  しかし、先ほどお話であったようにコストが非常に問題でして、最近、森林組合の方、プランナーの方に聞いたんですけど、森林所有者の方に主伐、再造林をお話に行っても、その後の植林とか保育に切って出たお金と同じぐらいの分がそれに必要やと。結局何も利益が出ない状態だということで、そう話しますと、もうやっぱりどうしても森林所有者の方は手が出ませんというか、もう切る気がしませんということで、結局放置、そのままなっていくということになっています。  林野庁が2020年に生産を向上させたり、コストを低減させてやったときの試算を出されましたけど、それでも1ヘクタール当たり70万円の利益が出るぐらいということです。50年で70万円ということは大体1年で1万円ちょっとぐらいということで、それプラス、まだ獣害対策やとか森林保険など、いろんなことにもお金が要りますので、森林所有者にとっては全然メリットがないというか、この主伐、再造林というのはなかなか理解しにくいとこでございます。  こういう山の管理というのは、森林所有者個人の問題がありますけども、先ほど県土保全とか水源涵養、それから山地の災害防止とか、そういう森林が持つ多様な恩恵を広く県民、国民にもたらすという大きな公的な意義がありますので、ぜひその主伐後の再造林や保育、獣害対策に対する費用負担の軽減に取り組んでいただいて、森林所有者の理解を得られるように進めていただきたいと考えております。  これを私の意見として質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、6番村上元庸議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午後2時20分 休憩    ────────────────   午後2時40分 開議 ○副議長(岩佐弘明) 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、あらかじめ会議時間の延長をいたします。  次に、小川泰江議員の発言を許します。10番小川泰江議員。
    ◆10番(小川泰江議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、大きく2問、質問をさせていただきます。  まず1問目は、新型コロナウイルス感染症についてです。  一時は200人を超える日が続いた新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数も、昨日は11人と急速に落ち着きつつあります。飲食店はじめ県民の皆様の御理解と御協力のおかげと深く感謝を申し上げます。また、医療や感染者対策の現場で御尽力くださっている皆様に改めて敬意を表します。  緊急事態宣言が9月末で解除の運びとなり、規制緩和や経済対策などの準備が本格化していますが、緩和が緩みにつながり、リバウンドを招くことも指摘されています。これまで何度も経験してきた解除後またすぐに規制強化に逆戻りという事態を避けるためにも、現段階での対策と次への備えは大変重要と考えます。その観点で、論点を絞って質問をさせていただきます。  まず、速やかで幅広い検査体制の拡充について伺います。  チームしが 県議団の代表質問において、米原市の放課後児童クラブで感染者が確認されたとき、保健所のPCR検査がないまま102人が一斉に自宅待機を余儀なくされたと報道された事例について、知事は適切に検査を実施したと御答弁をされました。大きな違和感を持ったのは私だけではないと思います。  この事例のほかにも、草津の放課後児童クラブで4日、明らかに濃厚接触者である湖南市の御家族でも3日など、検査まで時間がかかったという例が県下各地で聞かれるようになりました。すぐに検査しても反応が出にくいから日を空ける、こう保健所から説明をされた例もあったと聞かれます。大気中の家庭内感染のリスクを考えると、疑問も残ります。  このように第5波において検査まで時間がかかる事例が多発した要因について、以下、別途指名するまで健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ○副議長(岩佐弘明) 10番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) (登壇)お答えいたします。  いわゆる第5波におきまして県内で感染者数が急増した際も、保健所を中心とした積極的疫学調査の下、適切に検査を実施しているところでございます。  また、新型コロナウイルス感染症におけますPCR検査におきましては、ウイルスが体内で増えていない感染直後に検査をすることで誤った結果となる可能性があることから、保健所において患者の発症日や患者との最終接触日等を踏まえ、適切な時期に検査を実施しているとこでございます。  議員御指摘の米原市の放課後児童クラブにおきましても、陽性者の判明後、保健所が積極的疫学調査を行い、適時適切に検査を実施したとこではございますが、今後とも、調査先や調査対象となる方への丁寧な説明に努め、広く適切に検査を実施してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  まず1点目で、今、検査の陽性が出にくいから時間を空けるのが一定合理性があるという御説明があったと思いますが、これ、例えば御家族内で感染が起こった場合にも同じように説明され、先ほどの湖南市の例ですね、3日間、日がかかっているんです。家族でずっといたらもう当然すぐに感染しても分かるはずなので、ここで日を空けるというのはやっぱり納得がいきません。  やっぱり一律にではなく、その都度もっと丁寧な対応が必要ではないかと思いますが、御見解がありましたら伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  PCR検査におきまして、さきにお答えしたとおりではございますが、感染してから間もなく検査をすることで誤った結果となる可能性がございますことから、同居家族の場合でございましても、家族以外からの感染が明らかである場合については、陽性者の発症日や感染した推定される日等を踏まえまして、適切な時期に検査を実施しているところでございまして、個別に判断して、一律にやっているというわけではございません。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  個別判断ということでありますが、その間を空けることで家族内での感染のリスクも高まってくるかと思いますので、この辺りはまた適宜よろしくお願いいたします。  そして、米原市の例ですが、8月21日、長浜保健所における疫学調査および検査対象の変更についてという文書が発出をされています。  管内における陽性者数の爆発的な増加に伴い、疫学調査および検査対象が当分の間大幅に変更します。これまで発症前2週間程度聞き取っていたものを2日前までに調査すると。発症前や発症後の仕事や友人関係が気になるところですが、家族構成と会社名簿のみの調査とします。また、家族以外の濃厚接触や接触者の特定をしないので、検査も行いません。  こういった文書が市に対して発出されたということを聞いておりますが、これに関しての御見解がありましたら伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  今、議員御指摘いただいた文書については、私どもも当然把握しておりまして、その後、感染症対策課と、それから保健所で話合いを行いまして、速やかな検査を実施するよう対応したところではございますが、県といたしましては、保健所の積極的疫学調査の結果、事業所の状況から感染の拡大は否定できないといたしまして、濃厚接触者の範囲を広く捉え、利用者や職員の自宅待機と、それから検査の実施について決定を行いまして、その後、市におかれましても、保健所の助言を基に休業等の措置を取られたものと認識しております。  そういった意味では、保健所の調査に基づきまして、検査についても適切に実施できたというふうに認識しているとこでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)適切ということが一体何を指すとかという議論にもなってくるかと思いますが、米原市は実際に今回の事例を基に、学校等の集団で陽性者が確認された場合、保健所で検査が受けられず自宅待機を要請された人へ市独自の検査するための予算を計上しています。米原市以外にも、守山市など、市独自で検査を行う自治体も出てきました。  午前中、柴田議員の質問にもありましたが、県の役割をしっかりと果たすためにも、学校等の集団において陽性者が確認された場合に、まず、速やかに広く大きく網をかける一次的な検査を行い、同時並行で濃厚接触者の特定を進めるという体制を構築すべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  学校等におきまして陽性者が判明した場合においても、保健所の積極的疫学調査の下、まず、濃厚接触者等の特定を行い、必要な検査を広く適切に実施しているところでございます。  また、調査の結果、検査対象者が大規模となる場合等については、保健所の求めに応じまして、感染症対策課が民間検査機関と調整の上、速やかに実施できる体制を構築し、検査を実施しているところでございまして、こうした体制を機動的に活用して、迅速な検査に努めてまいりたいと思います。  感染が最も拡大していた時期でございまして、情報提供、情報共有に課題があったことは我々も認識しておりまして、関係者の皆様の中には十分な情報が届かず、不安に感じられた方もおられたと考えておりますので、関係者への説明については丁寧に対応するように心がけてまいりたいと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)新学期早々陽性者が確認されて休校になったある中学校では、濃厚接触者3名、接触者9名。最近は接触者ということで少し確かに幅広に検査はしてくださっています。これは県の検査となりましたが、その他35名を市が独自で検査をしたということです。  県のおっしゃる必要な範囲と、市町、現場の考える必要な範囲に随分差があるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  学校等で陽性者が発生した場合は、積極的疫学調査の中で把握した情報等から、一つ一つの事例の場面、時点ごとに保健所長が適切に判断し、必要な検査を広く適切に実施しているところでございます。  陽性者が発生した場合、当該施設やその関係者が、感染への不安などから検査範囲が狭いとの思いを持たれることもあるのではないかと考えております。  保健所からは検査範囲の判断など、陽性者が発生した施設等への説明を行っているところではございますが、引き続き丁寧な説明を行い、不安解消に努めてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)不安からということですが、現実に市独自でこの35名ですね。同じクラスであったり、試験監督されたということでその試験を受けた方であったり、部活の指導もされて部活のほうであったりとか、かなりの広がりがやっぱりあったかと思います。  例えば第5波で感染を抑え込み、いわゆる野戦病院としても注目された福井県では、濃厚接触者の平均8.5倍の人数を接触者として広く検査しており、全陽性者の30%はその幅広い接触者から判明したというエビデンスを6月に正式に発表しています。つまり、滋賀県では、この30%を一定見逃してきた可能性もあるとも言えると思います。  ワクチン接種の進展で若干状況は変化していると思いますが、ワクチンが打てない12歳未満に関しては、現状でも有効なデータだと思います。  このエビデンスに照らし合わせても、特に子供の集団においては、市町、現場の意向もしっかりと反映し、現状の滋賀で言う括弧つきの幅広い検査よりもさらに広い検査が必要だと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  福井県あるいは広島県、様々な県の事例などを私どもも参考にさせていただいているところでございます。  先ほどからの繰返しになりますが、保健所の判断、現場での判断で、やはり保育所等で非常に密な環境である、あるいは換気が悪い、様々な状況を見ながら、当然ですけれども一斉の検査をすることもございます。  ただ、非常に感染対策も整い接触がされている方も少ない、そういった事例も当然ございますので、それについては、広めの検査という視点は当然持ちながら、現場の判断を尊重して検査をしていただきたいというふうに思っているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)保健所の判断で適切にやっているということですが、先ほど米原市の例では、保健所が文書を発出した後、なかなか検査が進まず、本庁自らが市の要望に従って動いたということも聞いております。  今回、実際に休園になった保育所の経営者やその保護者、休校になった小学校の保護者さん、また、幾つかの市からお話を伺いましたが、現状は何もないという県の認識の間に大きな距離感を感じます。  また、マスコミ報道ともずれがあることも多く、先ほど部長も少し触れられましたが、県の発信力や市町との調整力、問われているとも思います。  不安ということも先ほど部長おっしゃいました。県民の不安に応え、信頼を得られる県政であっていただけるよう、今回一石を投じさせていただきました。検査に関しては、またぜひ引き続き県民の不安に寄り添い、本当に信頼が得られるように御検討をお願いいたします。  また、感染者が確認される前に実施する検査として、高齢者施設等への一斉検査やイベントベースサーベイランス事業も動き出しています。  代表質問の答弁で、8月には初めての高齢者施設従事者への一斉検査が行われたとありますが、実施件数を教えていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  まん延防止等重点措置および緊急事態宣言に伴う高齢者施設および障害者施設の従事者に対する重点的な検査におきましては、694施設、1万4,363人の方に検査を実施したところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)陽性判明も教えていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  本検査において陽性と判明した方は9施設で10名でございまして、陽性率は0.07%でございました。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  ワクチン接種も一定進んだ段階で0.07%、高いのか低いのか様々議論はありますが、ただ、これで9施設の9つのクラスターが防げたとも言えるのではないでしょうか。  次に、6月議会の質問で問わせていただいたイベントベースサーベイランスについても伺います。  当初、8月中旬には開始予定ということでしたが、9月15日からスタートということの答弁でした。感染爆発期には有効性を発揮できない事業ということから開始時期が遅れたと理解しておりますが、試行の経過も含めた現状について確認をさせてください。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  イベントベースサーベイランス事業につきましては、新型コロナウイルス感染症のクラスターを早期に探知し介入することによって大規模化を抑止するため、高齢者施設や学校等におきまして、体調不良を訴える人が増えているなど、ふだんと異なる現場の気づきを基に早期に検査を行う事業となってございます。  本年5月からイベントベースサーベイランス事業における課題の抽出や検査基準の検討等を目的に、県内約20施設を対象に試行的に実施いたしまして、発熱やせき症状等のイベントの発生があった1施設2集団において検査を行い、幼児であっても検査が可能であると確認するなど、本格実施に向けた準備に取り組んできたところでございます。  この結果を踏まえまして、9月15日に対象施設向けの説明会を開催するとともに、同日、正式に受付を開始したところでございます。  引き続き、さらなる感染拡大を防止するため、円滑な事業実施に努めてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  感染が一定落ち着いた段階では、これらの検査手法は有効だと思いますので、次の感染爆発抑止の一助として、しっかりと取り組んでいただけるようお願い申し上げます。  それでは、次に、自宅療養者への対応についてお伺いします。  2019年の国の調査では、滋賀県の人口10万人当たりの病院数は47都道府県で下から2番目、10万人当たりの病床数も下から6番目と、病院自体が大変少ない状況です。そのような中、コロナ患者受入れ病床の確保に御尽力いただいていることに感謝申し上げます。  コロナ病床8月10日時点の380床も、10万人当たり26.9床と都道府県で28番目、全国平均29.9床を下回っており、結果、病床使用率は一時90%を超え、全国一高いという状況が続きました。  これを受け、8月19日、これまでの原則全患者を入院か宿泊療養という方針を変更し、40歳未満でほぼ無症状の場合は自宅療養を認めることを臨時措置として決定、一時は待機を含めて2,000人を超えた自宅療養者も昨日は35人とすっかり落ち着きましたが、次への備えとして自宅療養者対応の整備は必須と考え、質問させていただきます。  まず、現在の入院方針はどうなっているのでしょうか、お願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在の占有率が改善傾向にあるなど、医療体制の非常事態を脱したと認められますことから、9月24日の新型コロナウイルス感染症対策本部員会議におきまして、医療資源を重症者、リスクの高い方に重点化する病床逼迫時における入院勧告措置の対象者への臨時的な取扱いの終了を決定したところでございます。  現在は、平時における基準に従い、入院、宿泊療養を基本として療養先の調整を実施しているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、次に、自宅療養者への健康観察業務についてお伺いします。  第5波では、特に療養者が多い県南部において保健所が逼迫し、自宅療養者に毎日電話で健康観察をするのが難しくなっているとの報道がありました。  その対策として、8月の臨時会議で会計年度任用職員92名を緊急雇用する予算が可決されましたが、人材の確保状況はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  8月の臨時会議でお諮りした補正予算は、自宅療養者数が最大見込みの2,600名に至った場合に、県保健所における健康観察業務の対応に必要となる週3日勤務の看護師または保健師を92名任用できるよう積算したものでございます。  自宅療養者の減少や週4日以上勤務いただける方の任用等もございまして、現時点で健康観察業務に必要な人数は確保できておりまして、ワクチン接種サポートナース登録者の方を中心に39名を任用いたしまして、各保健所で勤務いただいているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)現在、39名の雇用ということで、これは募集をもう今は充足しているということで現在打ち切っているという理解でよろしいんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  現在、各保健所の状況を聞きますと、充足ということでございます。  ただ、様々いろんな場面で御活躍いただいていることもございまして、この任用につきましては、随時募集という形も取っております。  ただ、充足をしておりますので、採用について、どういうとこで活躍いただけるかというところは、十分調整して対応してまいりたいと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  先ほど柴田議員のほうも92名でも足りるのかと御心配もありましたし、いざというとき92名まで本当に確保できるめどが立っているという理解でよろしいんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  感染動向等、十分把握しながら、当然随時募集をしていくということではございますが、当然、募集したからといってすぐ集まるということもございませんし、やはり常時必要な方を採用するなどして対応していくんですが、ただ、やはり、先ほども申し上げましたように、現在のワクチンの会場、様々な会場でも御活躍いただいていますし、今後、そのときの情勢に応じてその募集の度合いといいますか、人数をどのぐらい採用すればいいか、その辺りは現場とよく相談しながら、また、庁内でも十分調整しながら対応してまいりたいと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)都府県から市町への自宅療養者情報の提供が全国的に課題となっています。9月3日の報道では、34都府県が個人情報保護等を理由として提供していないことが明らかになりました。自宅療養者の支援に支障を来している例もあるということです。  本県はその限りではないということですが、自宅療養に関して市町との連携はどうなっているのか、情報共有の状況も含めてお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  自宅療養者に対する食料品支援では、一部市町の御協力をいただきながら、希望をされた方の自宅までお届けしているところでございます。また、保健師等の職員を保健所へ派遣していただいた市町もございまして、主に自宅療養に係る健康観察業務に当たっていただいたところでございます。  食料品の支援の協力に当たりましては、自宅療養者の氏名や住所など個人情報が必要となるため、該当者に係る情報について共有をしてきたところでございます。  自宅療養者への生活支援は、療養者にとってより身近な市町との連携が大変重要であると認識しておりまして、今後とも必要な情報を提供してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)現在、その必要な情報を提供するかどうか、その内容も保健所が判断されているということも聞いております。保健所の負担をその都度負わせるのは、やっぱりそれを減らすためにも一定のルールに従って情報提供を行えるような協定等を結んで、いざというときに備えてはいかがかと思いますが、御見解をお願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。
     市町との情報共有につきましては、感染症法に基づいて提供しているものでありまして、今、御助言いただきました市町と協定等を締結する必要はないと考えているところでございます。  しかしながら、今後、市町が独自の支援を実施されるなど、さらなる情報提供の必要が生じた場合、迅速に応じられるよう、市町からの御意見も伺いながら調整に努めてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひともまた市町ともいろいろ情報交換しながら、次の波に向けて必要な対策を打っていただけたらと思います。  こういった健康観察は保健師もしくは看護師が担われているということですが、全国的に保健師不足も深刻です。市町でも潤沢に人材がいるわけでなく、今回の保健師派遣のことに関しても、一般職員では駄目なのかという市の声も聞かれました。今後に備えて、さらなる対策が必要と考えます。  京都市では8月中旬以降、保健所が逼迫して自宅療養者への連絡が遅れ始めた際、緊急対策として、事前研修を受けた一般職員が、軽症者の健康観察や疫学調査など従来は保健師が担っていた業務に取り組んだことが報告されています。滋賀県でも一定そういった状況があったとも仄聞しています。  感染が落ち着いた段階で、いざというときに備えて、市町職員も含めた健康観察業務の研修やマニュアル化に取り組んではと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  本県では従前から、薬剤師、獣医師など保健医療系の技術職員のほか、保健所の事務職員など保健師以外の職員も検査の受付や補助、積極的疫学調査、健康観察といった感染症対策業務に従事してきたところでございます。  第5波におきましては、保健所以外の職場から保健所応援に赴く職員が急増しましたことから、新型コロナウイルス感染症の基礎知識や積極的疫学調査に関するマニュアルを配付するとともに、当該資料の解説動画を作成したとこでございまして、今後も感染拡大時には、経験者を中心に迅速な対応を取れるよう調整してまいりたいと存じます。  なお、市町では、限られた人員でワクチン接種などコロナ禍で増加した業務に取り組まれている中、健康観察業務のための保健師の派遣や大規模検査実施時の対象者への連絡や受付のための職員派遣などの御協力をお願いしたとこでありまして、この間に深めた連携を今後の対応につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)市町に関して、やっぱりその市によって事情も違いますし、考え方も違いますが、やっぱり自分のとこの市民を守りたいという思いはどこも持っているかと思います。その身近な市が支援することで感染された方の安心にもつながると思いますし、今日様々な御提案をさせていただきましたが、ぜひともまた御検討いただきたいと思います。  次に、学校や放課後児童クラブ、保育所など子供たちの集団に係る保護者支援についてお伺いします。  チームしが 県議団代表質問において、学校再開後9月14日までで、小学校15校、中学校17校が臨時休校になったと答弁がありました。中には、放課後児童クラブから派生して小学校が休校になった例もあると聞いています。昨日も守山で学校クラスターが発生もいたしました。  昨日の黄野瀬議員の質問では、放課後児童クラブでは7月1日から9月15日の間に34クラブが休業し、140名の陽性が確認され、保育所、認定こども園でも地域型保育事業も含めると47園が休園、179名の陽性者が確認されたということも明らかになりました。  現行法では、12歳未満の子供たちはワクチンを打てません。また、低年齢の子供たちへの感染防止対策徹底の難しさも周知のとおりです。子供たちから家庭内に感染が広がることや、仕事を休まざるを得ない保護者の負担も指摘されており、特に非正規雇用や独り親への影響は深刻です。  従事者が出勤できず、医療や介護現場の逼迫も危惧されており、厚労省は、臨時休園する場合に保護者負担を極力軽減する方法や、保育士による訪問保育など代替措置を検討するよう求めています。  保育園、放課後児童クラブの保護者支援について、代表質問答弁では、市町に対して訪問保育など代替措置のお願いを行い、他府県の例の情報提供も今後されていくということでした。  市町が中心ということは前提ではありますが、例えば高齢者施設の例のように、市町の枠を超えた保育士の相互派遣とか広域での保育の実施など、県としてもっとできることがあるのではないかと考えますが、見解を伺います。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  これまで取り組んできている代替措置について、より着実に実施されますよう、保育の実施主体であるそれぞれの市町の状況に応じまして、引き続き助言してまいるとともに、加えてどのような取組ができるのか、市町と意見交換の場を持つなどして、コロナ禍においても保護者が引き続き安心して子供を預けられる環境づくりを一緒に考えてまいりたいと存じます。  また、現在、他府県における取組を情報収集しておりまして、得られた好事例の取組を市町に情報提供し、横展開を図ってまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  今、御答弁の中で、これまで取り組んでいる代替措置についてとありましたが、具体的に個々何があるのか教えていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(市川忠稔) お答えいたします。  個別のちょっと把握はできていないところがございますけれども、具体的に申し上げますと、例えば考えられることとしては、代替措置でございますので、他園の預りとか、こういったことも考えられるんですが、実際我々といたしましては、こういった働きかけをやっておりますけれども、具体的な情報について把握しておりませんので、この辺りについては情報交換の中で対応してまいりたいというふうに思っておりますが、あとは、具体的には、例えばファミリー・サポート・センターも事例にはあるんですが、これも実際は事例はあまり聞いてはおりません。ただ、少し市町の情報をしっかり把握して、この中で代替措置、着実にできるように働きかけをしてまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)最初の御答弁で、これまで取り組んでいる代替措置について引き続き実施いただけるようとおっしゃいましたので、これ、内容がやっぱり把握できてないままこういうふうに言ってしまうっていうのは、あまりにもやっぱり県の役割としてはちょっとどうかなというところもあります。  一部の市町で訪問保育などが若干あったということも聞いておりますが、またぜひとも引き続きしっかりと情報収集していただいて、県としてもやれることを主体性を持って取り組んでいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、この項の最後に、知事に伺います。  コロナ対策は、様々な専門家の方たちの知見を参考にしながら、最後はトップが判断し進めるべきものであり、首長のリーダーシップが重要と考えます。  知事は昨年来より、コロナに関して様々な有識者とオンライン会談を重ねてこられたと聞いてもおります。  同様の手法で、例えば保健所長や医療従事者などコロナ対策現場の最前線で奮闘される方たちとも直接忌憚のない意見交換できる場を定期的に設けては、そう考えますが、いかがでしょうか。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  その前に、今日は検査とか自宅療養者とか保護者支援とか、具体的にこの間の取組について検証していただきましたので、私自身もこのやり取りの中でまた考えたこと等、現場の職員等と次の波に向けてしっかりと対応してまいりたいと存じます。  特に保健所長については、これまでから滋賀県新型コロナウイルス感染症対策本部員として現場の御意見をいただいておりますが、今年7月、私と県6保健所長によるウェブ会議を行いまして、体制強化に向けて意見を様々いただいたところでございます。その後のこの第5波への対応にも一定やはり役に立ったという点がございます。  また来月中旬に予定をされておりますので、ちょっと次の波に飲み込まれる前になるかどうか分かりませんけど、有効な場にしていきたいというふうに考えております。  また、医療従事者の皆様については、これまでに計8回開催しております滋賀県新型コロナウイルス感染症対策協議会や、今年6月に実施いたしました医療機関との意見交換会等において様々な御意見をいただいております。私自身もできる限りフルタイムで出席させていただいて、ちょっと専門用語が飛び交いますと分からなくなるときもあるんですけど、分からないことは分からないと申し上げながら教えていただいて、知見を高めているところでございます。こういったやり取りの中で、コロナ病棟の看護師の負担軽減など、県の施策にも一定反映をさせてきたこともございます。  また、昨年度からコロナ患者の入院を受入れていただいております病院を現場訪問させていただくなど、医療現場の皆様の声を直接お伺いできる機会を持つようにも努めているところでございます。  今後とも、保健所長との意見交換、対策協議会での議論等を通じて、感染症対応の最前線で御奮闘いただいている皆様からできる限り忌憚のない御意見をお聞かせいただき、施策に反映してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  先ほども少し申しましたが、今回、様々な方々にコロナに関してお話を伺い、学校等の施設や市町、保健所、そしてこの本庁、この間の情報共有や関係、信頼関係とまで言ってもいいかもしれません。課題があるのではとひしひしと感じ、今回この提案もさせていただきました。ぜひとも引き続きよろしくお願いいたします。  それでは、次、住宅セーフティネットとしての県営住宅の可能性についてお伺いします。  社会的養護終了後の若者たちの支援、特に最重要項目の一つ、居住支援について、県営住宅を中心に、これまで何度も問わせていただきました。  現在、この若者たちは単身では県営住宅に入ることはできません。公営住宅法における入居資格から、同居親族要件、つまり世帯入居は既に削除されているにもかかわらずです。  施設入所児童の約7割が被虐待児と言われます。家族から虐待されて家族と暮らすことができず、社会的養護で育った若者たちが自立への一歩を踏み出そうとするときに、今度は家族がいないという理由で公営住宅の入居に応募もできない。あまりにも理不尽ではないかという思いからです。  昨年11月定例会議において、これからの県営住宅の在り方として、単身入居要件を緩和して、児童虐待を受けたものなど省令で定められた住宅確保要配慮者が入居応募できるようにすべきと訴え、部長からは、本県において、県営住宅の空き住戸が一定数存在し、また、総世帯に占める単身世帯の割合が増加する中で、住宅に困窮した低所得の方が一人でも多く入居いただけるよう、入居できる単身者の要件を見直していくことが必要ではないかと考えており、他府県の事例も参考に、具体的な内容を検討していくと前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございました。  1年近くたちまして、検討いただいた結果がそろそろ出るのではないかということで、質問をさせていただきます。  まず、参考にするとおっしゃった他府県の事例はどうなっているのか、以下、別途指名するまで土木交通部長にお伺いいたします。 ◎土木交通部長(野崎信宏) (登壇)お答えいたします。  単身での入居要件に関する他府県の状況ですが、今年7月時点で、47都道府県のうち同居の要件を撤廃しているところは6件で、同居を原則としつつ単身での入居要件を設けているところは、本県を含め41の都道府県でございました。  本県では、単身での入居に関して、高齢者、身体障害者、生活保護受給者など10項目の要件を設けておりますが、全国では、本県と同じ要件のところは19都府県、本県の10項目以外の要件を設けているところは20府県で、その具体の要件としましては、犯罪被害者が7件、被災者が4件などでございました。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  その結果を踏まえての現段階の本県の検討状況をお伺いいたします。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  現段階の検討状況についてでございますが、県営住宅の住戸が限られる中で、多くの住宅困窮者に居住をいただけるよう、同居する親族が必要という要件を残しつつ、単身で入居いただける要件を拡大する方向で検討を行っているところです。  今後、関係部局や市町と協議を行いながら、世帯構成の変化や入居対象者数の推計、民間のセーフティネット住宅の登録数、県営住宅の空き住戸数などを基に、単身で入居いただける対象者の要件について、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)同居親族要件の撤廃に係る条例改定ではなく、単身入居要件の規則の見直しという理解といたします。  今、議場のほうからも「いつまで検討するんや」というお声もいただきましたが、規則の見直しならもっと速やかにできたのではないかと思いますが、例えば今後のスケジュールですね。いつまでにということがありましたらお伺いしたいと思います。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えします。  単身での入居要件拡大の検討につきましては、昨年度から検討を開始したところでございますが、今年度、住生活基本計画の見直しを予定しているところでございます。  この計画の見直しにおきましては、世帯構成の変化でありますとか入居対象者数の推計などを基に県営住宅の供給数を検討することとしておりますことから、単身での入居要件につきましても、この中で検討するということで考えております。  見直しの時期としましては、住生活基本計画に合わせ、今年度末をめどに単身での入居要件を見直したいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)現在、県営住宅は年4回募集をされていると、定期募集があると聞いておりますが、大体4月が一番大きな募集ということで、印刷物などを考えると、今年度末までに決めて、そこから4月、新年度に間に合わすというのはちょっとスケジュール的に苦しいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎土木交通部長(野崎信宏) 御指摘のとおり年4回の募集をさせていただいております。ただ、そこも含めて、4月に間に合うように準備をしながら進めていきたいというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)スケジュールはぜひとも速やかにお願いいたします。  住宅セーフティネット法において省令で定められた住宅確保要配慮者のうち、現在の滋賀県で単身でまだ入居が認められていない児童虐待を受けた者、犯罪者被害者等、様々ありますが、どこまで広げられるのか、現段階でもしお答えできる範囲がありましたらお願いいたします。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  ただいま議員から御指摘をいただきました児童虐待を受けた者あるいは犯罪被害者などの住宅確保要配慮者につきまして、我々も今どこまで広げられるのかというとこで検討しているところでございまして、単身入居の要件をいろいろと検討して進めてまいりたいと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)これまでも1年近くずっと検討いただきまして、さらに検討を進められるということで、ぜひともよりよきものにしていただけたらと思います。  また、現在県営住宅には120戸程度の空きが存在しており、この住宅ストックをいかに有効に活用するかもポイントになってくるかと思います。  前回の質問で、目的外使用制度を利用して、一定期間応募のなかった住宅を大学生に自治活動に参加することを条件に貸し出すモデル事業を紹介しました。その成果はいかがでしょうか。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  この事業は、コミュニティ再生モデル事業として、国の認定を受け、平成29年度から実施しているものでございまして、石山南団地と開出今団地におきまして、滋賀大学および滋賀県立大学の学生に対して、それぞれ住戸の貸出しを行っているものでございます。  成果についてでございますが、地域内の清掃や祭りなどの自治会活動に学生が参加することで、入居者からは、「若者がいてくれると本当に助かる」「地域に活気が戻った」などの声を、また、学生からは、「自治会活動を通じて団地住民の方々と交流できた」「草むしりは、高齢化が進む団地コミュニティにおいて、若者の力が生かされる活動であった」などの声を伺っておりまして、地域コミュニティの活性化に寄与するということとともに、学生にとりましても貴重な社会学習の場になったのではないかと考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)予定していたこの戸数、充足していると理解してよろしいんでしょうか。全てのこれに充てている戸数が全て入居されているということでよろしいでしょうか。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  このコミュニティ再生モデル事業でございますけども、一定数の枠がございますが、年度によって当然学生さんが入られる数も異なっております。今はやや少なくなっているというふうに聞いております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)なかなか全部は入っていないということも仄聞もしております。  また、同制度を利用して、平成8年には福祉事業所がグループホームを運営した例もあると聞いています。しかし、その1例のみで、なかなか制度の活用が進まないのが現状と考えますが、その要因について見解をお伺いいたします。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  福祉事業者による目的外使用制度の活用が進まない要因でございますけども、議員御紹介のグループホームの実績以外にも、県営住宅の利用を希望される事業者からの相談がございました。  この福祉事業者にお聞きをしましたところ、間取りが条件を満たさない、階段が利用の障害になる、事業所から遠く、地理的条件が合わないとのことでございまして、提供可能な県営住宅と事業者の希望される住戸の条件が合わなかったことが要因と考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)当然マッチングの課題というのはあると思います。  この9月1日に、茨木市の大阪府営住宅に目的外使用制度を活用した若年女性の自立を支援するシェアハウスがオープンしました。シェアハウス事業を展開している不動産業者と茨木市、地域住民の協力で実現したものだそうですが、大阪府営住宅では、ほかにも、障害者グループホームや介護を学ぶ外国人技能実習生らの寮、子ども食堂などに600戸が目的外使用許可で使われているそうです。  県内には4件の居住支援法人が指定されています。また、様々な福祉的支援を行うNPO等団体も多数あります。貧困ビジネスに利用されないよう行政がしっかりと計画した上で、ノウハウがある事業者や支援者が連携することで、県営住宅活用の様々な可能性が広がるのではないかと考えます。積極的に進めていくべきだと考えますが、見解を伺います。 ◎土木交通部長(野崎信宏) お答えいたします。  県営住宅の活動についてですが、県営住宅の目的は住宅に困窮する低所得者に住まいを供給することであり、目的外での使用については、本来の目的に支障のない範囲で行うべきものでございます。  その上で、長らく活用されていない空き住戸が相当数ある場合などでは、例えば社会福祉法人等により活用いただくことも、空き住戸の有効活用と地域福祉等の観点から有意義なことであると考えておりまして、今後、関係部局や関係機関などに対し、利用できる住戸等の情報提供を行ってまいります。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)県営住宅の本来目的である困窮者支援が優先ということで、ぜひとも先ほども申しました単身入居要件の実態に即した緩和、速やかにしっかりと進めていただきたいと改めてお願いいたします。  また、県営住宅の空きは年度によってもちろん違いますけど、最近の状況を見ると、大体80から180ぐらい、常時100戸程度は発生していると理解しております。何度募集しても応募のない部屋などに関しては、今紹介しました目的外使用を活用するとか、また、他府県の例にありますように単身者オーケーとするなど、ぜひとも引き続き御検討、御検討が今回すごくたくさん出てまいりますが、御検討をよろしくお願いいたします。  それでは、最後に知事に伺います。  現在、滋賀県住生活基本計画、先ほど部長からもございました。これが見直し改定中です。前回平成28年策定の計画と最も変わった部分、大きく変わったのは、住宅セーフティネットという考え方が前面に出ていることです。公営住宅による住宅セーフティネットの確保も明記されると聞いております。  これまでの議論も踏まえて、住宅セーフティネットとしての役割をこれからの県営住宅はどう果たすべきか、見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 公営住宅は、住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で住宅を提供するものであり、住宅セーフティネットの中心的な役割を担うものと認識しております。  このため、現在改定を進めております滋賀県住生活基本計画において、公営住宅を民間賃貸住宅による住宅セーフティネットの確保と併せて重要な施策の一つとして位置づけようとしているところでございます。  今後、この計画の中で、具体に地域の実情や住宅確保要配慮者の世帯動向を把握し、供給目標量を定め、市町と連携、調整しながら、県営住宅が住宅困窮者に対し的確に供給されるよう取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  これまで様々申しましたが、やっぱりこの若者たちですね。未来への大きな投資だとも考えております。ぜひとも滋賀県で育つ若者、先ほども申しました社会的養護、卒業していく若者、この若者たちのために私たちが大人としてできること、その一つとして、保証人条項も、今、県営住宅、削除もいたしました。彼らが社会に巣立っていくその一助として、県営住宅、この若者たちにもせめて応募はできるようにしていただきたい、そうもう一度この場からお願いして、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、10番小川泰江議員の質問を終了いたします。  最後に、39番江畑弥八郎議員の発言を許します。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇、拍手)お疲れさまでございます。3日目、最後ということで。ただ、先ほど議長が会議時間を延長していただきましたので、と思いましたが、できるだけ簡潔にさせていただきます。
     それでは、私からは2項目、一問一答で質問させていただきます。  最初に、文化財保護についてお伺いをいたします。  このところ、滋賀県内でも官製談合事件が相次いで発生しております。大変残念なことであります。  そこで、今議会にも訴訟案件が上程されています。滋賀県が発注した竹生島の宝厳寺唐門の保存修理工事をめぐる官製談合事件についてお伺いいたします。  私はこの賠償金および遅延損害金の請求訴訟の説明を受けたときに、契約上のルールだからやむを得ないなと最初は思いましたけれども、どうも割り切れない部分がありました。それで、今回の質問へとつながったわけであります。  それでは、まずは、滋賀県の文化財建造物の状況についてお伺いいたします。答弁者は文化スポーツ部長にお願いいたします。次の答弁者を指名するまで、文化スポーツ部長の答弁でよろしくお願いいたします。 ○副議長(岩佐弘明) 39番江畑弥八郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) (登壇)お答えいたします。  滋賀県の文化財建造物は、国指定が188件262棟で、その件数は、京都府、奈良県に次ぎ全国3位でございます。うち国宝は22件の23棟でございます。  県指定は73件98棟でございます。  また、国登録有形文化財建造物は459件でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございます。  全国で3位、関西でも京都、奈良に続いて3位ということで、まさに歴史と文化の滋賀県だなと、こういうことであります。  続きまして、その文化財保護の関係で、令和2年3月に策定されまして、本年3月にも一部改訂が行われました滋賀県文化財保存活用大綱の目的についてお伺いをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  少子化による人口減少や地域の過疎化など、社会状況が大きく変化する中で、地域によって支えられてきました本県の文化財を今後も保持していくことが大きな課題となっております。  そこで、本県の特徴であります地域に根づく文化財を確実に次世代に継承していくため、文化財の保存と活用の基本的な方針を示すものとして、この大綱を策定したところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)まさに確実に次世代へ継承していく、そして、保存と活用の基本方針ということであります。その大綱に基づいて、以下、質問をさせていただきます。  文化財保護課のまさに不適切事案、竹生島宝厳寺の再発防止策の内容および現在の進捗状況についてお伺いをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  不適切事案を受けて設置しました第三者による検証会議において検証した結果を踏まえまして、組織の改編、業務量の軽減、人事異動・交流、人材育成・確保、コミュニケーションの活性化に取り組んでいるところでございます。  組織の改編では、事務の効率化や相互のチェック体制の強化を図るため、文化財保護課の建造物係を補助金事務等の管理的な業務を担う第一係と、保全修理工事現場における技術的業務を担う第二係に分割をいたしました。  さらに、技術職員を増員し、また、工事の一部を民間団体に委ねることで業務量を減らすとともに、奈良県との人事交流を実施し、人材の確保と育成に取り組んでいるところでございます。  また、係員相互の情報共有や係間の合同会議、上司と部下の1対1の対話を定期的に実施し、コミュニケーションの活性化にも取り組んでいるところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)それぞれ組織体制も含めて改革をしていただいておりますが、私もこの再発防止策を読ませていただきましたけども、やはり大きな要因というのは、業務の煩雑さと長期的な人材育成が欠けていたと、そのように考えております。  特に人材育成の関係については、現状として滋賀県の人はまだ1人ということで、あとは年度内の方とか交流で賄っているということでございますが、上級主任技術者というのが大変重要なポジションでありますけれども、この方の人材育成ビジョンというのをどう考えておられるのか、お伺いいたしたいと思います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  主任技術者の養成には最短で6年間、そして、今ほどお話ありました上級主任技術者の養成には13年を要します。さらには、全国的にも不足している状態でございまして、すぐに確保するということは容易ではございません。  現在、奈良県との人事交流や、京都府、京都市のOBの方を会計年度任用職員として採用することで、県職員1名を含めた4名の上級主任技術者を確保しております。また、若手の職員はこうした主任技術者に指導を受けて経験を積んでいるところでございまして、さらに、必要な研修に参加させるなど、引き続き、中長期的な視野での人材育成・確保にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)そうなんです。この上級主任技術者というのは、今、部長言われましたように、13年間の経験と、そして、14年目から実際に仕事ができると、こういう人材でございます。だから、まさに今まで滋賀県が長期的なビジョンがなかったかというのを本当にこの物語っているなと、このように思います。  この方がいないと文化庁の予算を使った仕事ができない、計画が立てられないということで、なぜ今こんな状況に至ったのかなと大変私は疑問に思っているところでございます。  例えば、この上級主任技術者、これ、県内には市町を含めておられんのじゃないんですかね。ちょっとお聞きをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  県内の市町におきましては、文化財建造物を専門とする技術の方、配置しているところは2つの市がございますが、いずれもこの主任技術者ではございません。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)市町の連携とか協力ということで考えたんですが、今言われましたとおり滋賀県にしかいないということです。事件が発生する前は、1人辞められて、2人でずっと続けられたと、こういうことだと、このように思います。  そういう意味からすると、まさに先ほども言いましたけども、人材の育成ビジョンが全くなかったんだなと、こんなことをさらに確認をさせていただきました。  次の質問に移ります。宝厳寺に関わる建設工事の賠償金および遅延損害金の訴訟の経過について伺います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  平成30年度と令和元年度の各年度に株式会社橋本工務店へ発注した2件の工事につきまして、当時の代表取締役が、刑法第96条の6、公契約関係競売等妨害によりまして逮捕起訴され、令和2年11月21日に刑が確定しました。  これを受けまして、本年1月28日に橋本工務店を訪問し、建設工事請負契約に基づく賠償金を請求したところでございます。その後も折衝を続けましたが、話合いによる解決は困難であると判断しまして賠償金および遅延損害金の請求訴訟の提起につきまして、今9月定例会議に議案を提出したところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)その遅延損害金いうのは3%でも大きいんですが、これ、20%ですね。この請負代金の20%、この賠償金ですけども、この根拠を伺います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  談合に係る賠償金につきましては、談合抑止を目指すという趣旨から、全国の地方公共団体では、請負代金額の10%から30%までの間で定めているのが実情であり、現在、滋賀県の建設工事請負契約では、賠償金の率を20%としております。  これは、平成18年12月に公表された全国知事会の都道府県の公共調達改革に関する指針におきまして、賠償金の額を請負代金額の20%以上とすることを求められたものでございます。本県においても、平成20年1月から賠償金の率を20%に引き上げたものでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)全国知事会で、これ、全国共通と、こういうことなんでしょうけど、例えば滋賀県でこれまでこのような賠償を請求したケースというのはあったのでしょうか、お伺いいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  平成18年度に発生しました官製談合事件においては、契約期間中に贈収賄事件が発覚をしまして、契約書に基づく賠償金の請求をしております。  なお、事件の発生した平成18年当時の滋賀県の建設工事請負契約において、賠償の予定として定めている額は、請負金額の1割でございました。  また、当該事件につきましては、有罪判決が確定した時点で工事が完了していなかったことから、賠償金については契約保証金から相殺して徴収しておりまして、裁判までは進んでいないという状況でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)平成18年ということで、その当時は賠償金が10%、倍違いますよね。それと、今回の20%の賠償金は、要は保存修理が完結してから、そして、契約金を支払ってからの賠償金ということですので、1億4,600万円くらいになりますね。そういうことですから、全然今の平成18年のケースとは違います。  平成18年というのは、結局違約金というのは相殺されたということですね。だから、裁判にもならないし、多分そこで和解したということでしょうけど、今回この20%というのは、私はかなり厳しい率かなと。  いかにその談合事件を抑制するということが意図されたとしても、全国知事会での経緯は僕はあまり詳しくは知りませんけれども、いかに今回のケースがレアなケースかなということで考えていますが、もう一度部長の見解を問います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) 今の20%が高過ぎるのではないかということでございますが、今回の請求はあくまでも契約書に定めております賠償の予定に基づいた請求でございまして、実際に幾らの損害が発生したかということには関係がしないというふうに考えております。  また、判例におきましても、損害が全然なかったこと、また、実際の損害額が予定賠償額より少ないことなどを立証しても、責任を免れ、または減額を請求することは許されないと解すべきと、こういうふうな判例も出ておりますので、そういうふうに私どもとしては考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)かなり強硬な姿勢ですよね。  それでは、そういう強硬な姿勢の県のちょっと体質について少し質問していきます。今回の事案の内容がどうなるかというのをちょっと質問させていただきます。  まずは、文化財保存修理の指定業者数を問います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  文化財建造物の修理工事を行う業者は、入札参加有資格者名簿に登録している者で、建設附帯工事の業種中の建築工事業または大工工事業に登録している者でありまして、その数は、令和3年4月の時点で、県内業者が9者、県外業者が5者でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)県内業者が9者、県外業者5者ということですが、ちょっとここ数年の実績をちょっと見させていただきましたけれども、ほぼ中心的に落札されている業者さんはほぼ3者ぐらいが競合されていると、こんな状況で私は見ました。そういうことからすると、いかにその限られた業者の中からの入札かなと、こういう印象をかなり持ちました。  では、続いて、文化財保存修理を支える職人さんの状況ですね。宮大工さんとかしっくい塗りの職人さんとか、重田議員も何か宮大工さんをされていたということを聞いておりますけども、まず、県内のそういう職人さんの状況についてお伺いいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  文化財に関わる伝統技術の保存と向上を図るために、日本古来の伝統的な木造建築技術や左官技術、社寺等の屋根工事などの、これは文化庁が選定する保存技術保存団体というのがございまして、そこが研修等を実施して、技術の保存・継承、後継者の育成をされております。  これらの団体ができましたことによりまして、少しちょっと数は把握をしていないんですけども、滋賀県内の文化財保存修理を支える職人も徐々に増えてきているのではないかと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)徐々に増えてきていますかね。かなりやっぱり世代交代がやっぱりしていかなあかんのですけど、多分、今、部長が言われていたような状況では私はないと受け止めております。  それでは、次に、文化財保存修理の平均落札率を、ここ数年で結構ですので問います。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  国宝宝厳寺保存修理事業期間であります平成25年度から令和元年度の間に実施をしました文化財建造物の保存修理工事の平均落札率は、96.37%であります。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)96.37%が平均落札率、これ、通常の建設の落札率からすると相当高い数字だと、このように思います。  宝厳寺のときの最低制限価格なんかも、ちょっと率を計算しますと92%ということなので、いずれにしても、一番高いとこでも99.数%というところもあるんですが、まさに本当に僅かな範囲での落札かなという印象を強く持ちました。  それで、続きまして、再発防止策の中に契約の在り方の検討ということが記されております。その検討というのは今どういう状況であるのか、お聞きをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  文化財建造物の保存修理工事は、破損状況や学術的な調査を行い、その調査結果を基に、修理方針、工事の内容、工程を決定するという、そうした過程を繰り返しつつ全体の工事を進めております。  工事を円滑に進めるためには、十分な施工期間を確保すること、あるいは複数年契約の検討が必要でございますが、これまで業務の多忙によりまして、そうした検討が十分にできておりませんでした。  こうしたことから、民間団体の活用や技術職員の増員により業務量を削減することで前年度中の準備期間を確保し、早期発注など契約サイクルの見直しを図っております。また、複数年契約を活用することといたしております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今、部長が答弁されましたように、いずれにしても、調査、そして計画ということで、それと、それを支える人材、それが不足しているということと、もう1つ、私なんかちょっと現場の話に聞きますと、文化財所有者の方の意向もかなり、やっぱりここの業者にしてほしいとかいうのも少しあるようであります。当然それは職人の持っておられるそれぞれの工務店さんの職人の技量とか、それにもよると思います。  そういうことでいくと、かなり特殊な入札、一般競争入札かなと、こういうことを相当私も印象づけられたところであります。  それで、今ちょっと話が出ましたけれども、現在は事後審査型一般競争入札ということで実行されておりますけれども、それによらない選択肢ということで、今、部長からありましたように複数年契約というお声がございました。  そしてもう1つ、建築のほうでよく言います総合評価方式、これは要は落札価格だけでない、例えばいろんな滋賀県が持つ政策執行上の問題も含めて総合的に評価する総合評価方式というのがありますけれども、こういうことも今検討をされているということなのか、そして、複数年契約は実際に今やられているのかどうか、確認のためにお聞きをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  文化財建造物の保存修理は、伝統技法を忠実に再現して工事を行うことが原則でございまして、新たな技術提案等の余地がないといったことから、一般競争入札の総合評価方式の対象外としてきました。  今後、例えば伝統技術の保存に係る活動や技能者の育成の取組を評価するなど、文化財建造物の保存修理に適した総合評価方式が導入できないかといったことを研究してまいりたいと考えております。  また、債務負担行為でありますとか複数年契約につきましては、現在も活用しているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)本当に特殊な状況でした。例えば事前に資料を頂きましたが、国宝宝厳寺の唐門の3棟の保存修理については、工事が7件ありまして、6年間に7件の工事をそれぞれ1件ずつ契約をしていると、こういう状況です。  竹生島は当然島ですので、そこに、当然こういう保存修理というのは足場から何から資材からありますね。それを一々入札して、もし業者が替わったとしたら、それはもう本当に大変な無駄になります。  そういうことからすると、今、部長言われましたように、こういうときこそやっぱり複数年契約できちっとやるべきだったんだろうと、このように思いますが、それができないのが、これも部長言われましたように、人がいなかったと、こういうことになります。  これ、どっちがどうなのかということではないんですけども、いずれにしても、複数年契約というのはもう必ずやるべきだろうと思いますし、今現在この複数年契約というのの実績というのはあるんですか。もう一度確認のためにお聞きをいたします。 ◎文化スポーツ部長(中嶋実) お答えいたします。  令和2年度に契約したものがございまして、これは国宝延暦寺の根本中堂等の保存修理工事でございます。  令和2年11月から令和4年の3月までということでございまして、当初の契約金額は4億5,600万円というふうな大きな規模の工事でございます。これが実績としてございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)根本中堂は見学通路の建屋と中の保存修理とはまた別だと思いますので、少しまた宝厳寺とはまた違うとは思いますけども、一応複数年契約をされているということなので、ぜひそういうことをですね。それでも人材がいないというのはいかんともし難いということなんですけども、そこは本当に滋賀県としてこれまで育成してなかったということについては、しっかりと受け止めてもらいたいなと、このように思います。  それでは、続いて、以下、知事に伺います。  まず、今回の事件の被告に対して復職と減刑を求める嘆願書が当時570通届いたと聞き及んでおります。この内容について、知事の所見を問います。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  裁判所に対して文化財関係者の方々から多くの嘆願書が出されたことは、私も聞き及んでおります。  金銭の授受がなく、工事を遅らせたくないという私利私欲のない動機による事案であったことから、多くの方が嘆願書を出されたものと認識しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)まず異例ですよね、この570通というのは。それも、文化財の所有者の方も含めて、職場の方も含めて、かなりの方が嘆願書を書かれたということですが、結局、裁判所としては、公務員ということもあったんでしょう、かなり厳しい判決だったと、このように私も受け止めております。  そして、その判決を受けて、滋賀県としては懲戒免職という形で、大変私が今までただしてきた内容、そして滋賀県としてのこれまでの準備不足も含めて、そういうことを考えたときに、本当に何かいたたまれない、そんな思いでいっぱいです。もう1年経過いたしておりますけれども、本当にその思いというのはいまだに私もじくじたる思いをいたしております。  続いて、検証会議の会議録とか再発防止策を見ますと、要は当然法に照らせば担当者の責任は大きいと思います。そして、受注者側の責任もかなり大きいと、このように思いますが、いずれにしましても、管理監督者含めて処分が一定出されたと思いますが、その処分の内容についてお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 管理監督者への処分の内容と考え方ということでありますが、管理監督者への処分に当たりましては、有罪判決のあった平成30年度および令和元年度の工事に加え、公判における証言の中で明らかになった平成28年度および平成29年度の工事も含め、情報漏えいがあったものと認め、この間の管理監督者の処分について検討いたしました。
     検討の中で、本事案は、組織的に不正が行われていたものではなく、また、職員への指導監督の状況についても、明らかに適正を欠くとまでは言えないものと判断したところです。  しかしながら、事務量の削減ができなかったことやチェック体制が確立できていなかったことなど、組織的な課題についても原因となったと考えられること、また、結果として不祥事が発生したことを重く受け止め、指導監督等が不十分であったと判断し、当時の教育次長、文化財保護課長等に指導上の措置を行ったものでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)私は先ほど来から主張しておりますように、この事件の責任は滋賀県はかなり大きいなと、このように思っています。  今、知事は事務的な関係で言われました。指示命令系統の関係と言われましたが、民間でしたら、もう社長が自ら処分をするというような僕は事案であると、このように思います。  この当時は教育委員会ということですので、教育委員会の次長まで、それも戒告とか訓告とかということなんでしょうけど、本来はやっぱり、例えば教育委員会ですと教育長が社長の立場であります。知事とまでは、言いたいんですけどそこまでは言いませんが、やはり少なくとも部長クラスとか教育長クラスがやはりしっかりと処分を受けて正していく、そして、人材育成に怠ったことについて、改めて組織として対応していくと、こういう姿勢が必要であると、このように思いますが、もう一度知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員のお考えは受け止めたいと思います。  教育委員会所属とはいえ、先ほどるる述べられたような形で大変優秀な職員をこういった形で処分しなければならない、とりわけ当該職員について処分しなければならなかったというのは断腸の思いでございます。  また、当然たくさんの大切な文化財をお預かりしている本県の責任というものも多大であるというふうに考えておりますので、今後こういった事態を起こさぬよう、しっかりと検証会議で指摘された事項の実行、また、その実効性を担保するということでもって、お返しをしていかなければならないと考えているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)まさに僕は滋賀県全体の先ほど保存修理の大綱ということでしっかりと決めているわけですから、全体のやっぱり責任として受け止めて考えていただきたいと、進めていただきたいと、こういうふうに思います。  次に、この業者さんのほうの関係ですけども、契約の履行義務からすれば、訴訟はやむを得ないということは理解できます。ただ、保存修理は全て今完結をしております。そして、関係者も法により罰せられています。そして、これまで私が言いましたように、組織的課題を放置してきた滋賀県の責任もかなり重いと考えております。  訴訟以外の履行を守る方法というのはほかになかったのかどうか。今、当該業者は入札指名停止処分を受けられておりますけれども、履行するほかの手法というのはあったのかなかったのか、知事に問います。 ◎知事(三日月大造) まず、今回の請求は、談合抑止の観点から定められた条項に基づくものでございまして、公契約の公平公正を確保するために必要な手続であると考えております。  既に分割払いなどの交渉も行ってきましたけれども不調となっておりまして、話合いによる解決は極めて困難な状況と認識しており、今回、訴訟提起の議案を提出させていただいているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)訴訟の中身まで触れるということは私もちょっと避けさせていただきますけれども、いずれにしましても、分割ということを事前に調整されたということですが、多分恐らく相手側は完成しているのではないかということで、県にどれだけ損害与えたのかと考えたときに、やっぱりこの20%というのは理解できないと、こういうことだろうと思います。  これはこれから訴訟されていくんでしょうけど、いずれにしましても、訴訟は訴訟としてやむを得ないんですが、これからの発注する県の姿勢として、しっかりとやっぱり検証会議で出された提言を実行していただきたいと、このように思います。  何かちょっと私も定かでないんですが、辞められた職員の御家族がぼそっと言われたようです。「これで長時間労働、あの人、解放されるな」と、こんなことを言われたそうです。まさに1人で全部責任を負ってやってこられたということなので、それを放置してきたやっぱり滋賀県全体の責任をしっかりとやっぱり自覚をしていかなきゃいかんなと、このように思います。  ちょっと通告しておりませんけど、改めて知事に、滋賀の、この歴史と文化の滋賀を守っていく上で、改めての決意を最後にお伺いしたいと、このように思います。 ◎知事(三日月大造) 議員が最後に御紹介された当該職員の御家族の方の述懐というのは、私も間接的にお伺いいたしました。  そういうことをお伺いするにつれ、大変重い責任を個人に、少数の人間に委ねていたんだなと、過重に負わせていたんだなということを実感した次第であります。  その意味で、県という組織のこういった課題というのも今回の事件で明らかになったところでございますので、検証会議でも指摘された事項をしっかりと改善、行っていきたいと思います。  また、大切なものをたくさんお預かりしておりまして、やはり活用と言われますけれども、大綱をつくったときにも申し上げていたんですが、保存なくして活用なしだということで、やはり保存をしっかりと行おうと、そのための人材も、議員から御指摘いただいたように、要件がある中でその要件を持つ人材を育成していくのに時間がかかるという、しからば、計画的にそういった人材を採用し、また、育成していくという、こういう長期的な視野に立った対応というのも必要だということでございますので、やはり滋賀県としての責任も大きいと思うんですが、これを単体の県だけでやっていくのか、少し同種の使命を担う、例えば隣接する京都府、奈良県などと連携して行っていくことで持続性というものを確保することも含めてやはり考えていかなければならないと思いますので、ぜひ今回の件はしっかりと教訓といたしまして、今後の使命を果たしていきたいと考えているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)それでは、よろしくお願いいたします。  それでは、次の項目に移ります。滋賀県の過疎対策についてお伺いをいたします。  昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来、4次にわたる特別措置法の制定により総合的な過疎対策事業が実施をされ、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興などが進められてきました。  しかしながら、国全体が人口減少に転じ、少子高齢化も一層進む中、過疎地域においては、集落機能の低下、森林管理の放置による森林の荒廃、度重なる豪雨地震等の発生による林地崩壊、河川の氾濫など、極めて深刻な状況に直面しております。  過疎地域は日本の国土の半分を占め、豊かな自然や歴史文化を有する地域でありまして、都市に対する食料、水、エネルギーの供給、国土・自然環境の保全、癒やしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大に貢献をされております。  過疎地域が果たしているこのような多面的・公益的機能は国民共有の財産であり、それは過疎地域の住民によって支えられてきたものであります。  その役割を今後も維持していくためにも、引き続き、過疎地域に対する総合的かつ積極的な支援の充実強化を図り、住民の暮らしを支えていく政策を確立、推進することが重要であります。  また、過疎地域がそこに住み続ける住民にとって安全・安心な暮らせる地域として健全に維持されなければなりません。同時に、都市を含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであります。このことは、滋賀県の過疎地域においても言えることであります。  とりわけコロナ禍では、過疎地域への移住者の増加、革新的な技術の創出、情報通信技術を利用した働き方への取組といった過疎地域の課題の解決に資する動きも今出されているところであります。  以下、次の答弁者を指定するまで総務部長に伺います。  まず、滋賀県の過疎対策の経過について伺います。 ◎総務部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  過疎地域に係る特別措置法として、昭和45年に過疎地域対策緊急措置法が施行されて以来、おおむね10年ごとに新たな立法措置が講じられてきたところでございます。  本県におきましては、昭和46年に当時の朽木村の区域が県内で初めて過疎地域に指定され、続いて、平成2年に当時の余呉町の区域が過疎地域に指定されました。  本県では、これまで両地域を対象に、長浜市および高島市と連携し、過疎地域の振興と自立促進の施策を講じてきたところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)続いて、その滋賀県の過疎対策の成果についてお伺いいたしたいと思います。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  昭和46年当時は、過疎債の活用も含め、過疎法に基づく特別な財政措置を基に、道路や水道などの生活環境や産業基盤の整備を中心に、各分野において積極的な改善策を講じてきたところでございます。  昭和60年代以降は、基盤施設の整備にとどまらず、地域の特性を生かしたまちおこしにつながる取組を進めてまいりました。  また、平成22年の改正過疎法においてはソフト事業への過疎債の充当が可能となり、市営バスの運行といった、より地域に密着した取組を通じて、過疎地域の活性化や自立促進に一定の成果を上げてきたものと考えております。  さらに、過疎地域を支援するための交付金につきましては、長浜市におきましては芸術文化の振興、高島市におきましては林業の6次産業化等に活用されてきたところでございます。  一方で、これまでの取組にもかかわらず、人口減少ですとか少子高齢化はなお著しく、地域公共交通網の維持、医療・介護人材の確保、集落の維持・活性化など、依然として多くの課題が残されているものと認識しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今、部長が答弁していただきましたけども、過疎地域支援交付金、そして過疎債の活用ということで、一定活用されてきましたけれども、現状の成果としてはまだまだ課題が多いと、こういうことだろうと、このように思います。  続きまして、この県議会からも意見書を皆さんと一緒に出させていただきましたが、新たな過疎対策の特別措置法が制定をされました。その内容と特徴についてお伺いをいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  新過疎法におきましては、法の目的がこれまでの過疎地域の自立促進から過疎地域の持続的発展に見直され、条件不利性の克服というこれまでの過疎対策の基本的な考え方は維持しつつも、持続可能な地域社会の形成および地域活力のさらなる向上に重点を置いて施策を推進するとの考えが反映されたところでございます。  また、新たに過疎対策の目標として、人材の確保・育成、情報通信技術の活用、再生可能エネルギーの利用促進が追加されたところでございます。  さらに、新たに過疎対策の目標を達成するため、広域的施策、市町村相互間の連絡調整、人的・技術的援助等について都道府県の責務に関する規定が追加されるとともに、目標、計画期間、達成状況の評価などが追加され、より過疎対策の実効性を高めることが求められているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今、新過疎法、措置法の特徴を言っていただきましたが、もう少しちょっと具体的に、今、多分計画は今現在立てられているとは思うんですが、分かる範囲で結構ですので、もう少し具体的内容についてお願いいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  具体的な内容ということでございまして、現在、その新過疎法に基づきまして、県としましてもその持続的発展方針などを定めておりますが、その中で、例えばでございますけれども、やはり最近の状況の変化を反映いたしまして、AIですとかIoT機器の導入の促進ですとか、それから、過疎地域の病院等にもICTを活用した医療の確保ですとか、そういった関係の記述も入っているほか、先ほど答弁でも申し上げましたが、やはりその再生可能エネルギーの利用促進ですとか、そういったものもございます。  それからあと、関係人口の創出などについても、そういったものについても、やはり最近の潮流を踏まえて、県としても記載を追加しているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)特に今度は都道府県の責務が明記されたというのは、かなりやっぱり大きいと、滋賀県の役割は大きいなと、このように思います。  それでは、今少し出ていましたけども、新たな特別措置法を受けて、これからの滋賀県の対応について具体的にお伺いをいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  新過疎法の施行を受けて、新たな過疎方針となる滋賀県持続的発展方針を策定するとともに、税制上の特例措置への対応として条例等の改正も行ってきたところでございます。  今後、この新たな方針に沿って、移住促進、産業振興、再生可能エネルギーの利用促進等、各施策を推進するための新たな県の過疎計画を策定し、取組を進めてまいりたいと考えております。  また、令和2年度の国勢調査の結果を受けまして、甲良町が新たに過疎地域に追加指定される可能性があると承知しておりまして、注視しているところでございます。過疎指定の際には、地域の実情や町の意向を十分に確認し、必要に応じた県の過疎方針および過疎計画の変更とともに、町の過疎計画の策定に向け適宜助言を行ってまいりたいと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)これから具体的に進めていかれるということと、まだ見込みでありますけれども、甲良町が過疎指定に入る可能性が高いと、こういうことでありますが、その指定見込みも含めて、これから市町との連携について具体的にどうされていくのか、お伺いをいたします。 ◎総務部長(森中高史) お答えいたします。  過疎法におきましては、都道府県と市町村の過疎対策の整合性を確保するため、県が策定する方針に基づき、県、市、町がそれぞれ計画を策定し、過疎対策を推進することとされており、これまで長浜市、高島市と連携を密にして過疎対策に取り組んできたところでございます。  新過疎法に基づき、県計画において、広域にわたる施策、指定地域相互間の連絡調整に加えまして、人的および技術的援助その他必要な援助に関する事項を記載することが努力義務とされたことを受けまして、より一層関係者と連携しながら事業を進める必要があると考えております。  なお、甲良町が過疎団体に指定された場合には、これまで長浜市、高島市と培ってきた知識や経験を踏まえて、甲良町の実情に寄り添った連携を進めてまいりたいと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)それでは、以下、知事にお伺いいたします。  来年度指定見込みの甲良町というのは、従来の朽木とか余呉とかというような少しちょっと状況が違うと私は考えています。これまでの過疎地域と異なると考えておりますが、このことについて知事の所見を問います。 ◎知事(三日月大造) 御指摘のとおり、来年度甲良町が過疎地域に指定された場合、本県内においては、平成の大合併以降初めて市町の区域全域が過疎地域とされる全部過疎の団体となります。  また、湖東地域で初めての過疎団体が生まれることとなり、これまで彦根市を中心として定住自立圏共生ビジョンを掲げられ、持続的な地域圏の形成に向けて取り組んでいる構成市町に与える影響は大きいと考えております。  本県といたしましては、甲良町の過疎指定をできる限り早期に脱却できるよう、同町だけでなく、湖東定住自立圏を構成する市町と共に検討し、県として積極的に支援をしてまいる所存でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)いや、本当に私も聞いて最初びっくりいたしました。でも、確かに指標を見れば、確かに該当する可能性が高いということでございますので、ぜひ今知事が言われましたように連携をしっかりとして取り組んでいただきたいと、こういうふうに思います。  次に、過疎対策の財源確保について問います。特に特別措置法をちょっと読ませてもらうと、医療、福祉、教育、公共交通が大体柱になっているんですが、財源の確保について知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 新過疎法におきましては、過疎地域に対する税制措置ならびに財政支援措置の拡充が行われるとともに、法制定と併せて政府において過疎地域持続的発展支援交付金の支援の拡充が図られたところでございます。  本県といたしましては、僻地医療などの分野において政府の支援措置を積極的に活用しながら、条件不利性の克服および持続可能な地域社会の形成に資するための取組に対して、重点的に支援措置を講じていく必要があると考えております。  また、市町の実情を踏まえ、必要に応じて国に対し財源の確保や制度の改善等の要望を行っていく所存でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ぜひよろしくお願いしたいと、このように思います。  この新措置法の計画期間は5年間ということでございます。その5年間のどう実効性を保つかということでありますが、この実効性、いかに保つかということでありますけども、その手法について、いわゆる検証の手法について、何かお考えがありましたらお聞きをしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大を通じて、人口密度が高い地域で日常活動を行うことのリスクでありますとか、社会経済機能が一極に集中していることのリスクを国家的課題として捉えなければならない状況に立ち至っていると認識しております。  そのような状況の中、田園回帰の潮流等、過疎地域の可能性を広げる新たな潮流を捉えた過疎対策に本県としても取り組んでまいりたいと存じます。  その上で、県の責務を確実に果たし、各市と十分に連携を図ることで計画の実効性を担保できるよう、全庁を挙げて過疎地域の持続的発展を目指してまいる所存でございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)しっかり、できれば1年ごとに検証をしながら着実にお願いをしたいと。  それで、甲良町がもし過疎地域に指定されれば、知事、よくそういうところに一晩泊まりに行って交流するとかいうことがありましたので、甲良町へぜひそういう形で行っていただければなとお願いしたいと、このように思います。ちょっと今までとちょっとイメージが違うかもしれませんけど。  それでは、最後の質問であります。私は県会議員になりまして、ライフワークとして南高北低問題というのを度々この議会の中でも取り上げさせていただきました。まさに滋賀県どこに住んでいても、県民が等しく享受されるべき医療、福祉、教育、そして公共交通、これがまさにこの特別措置法の趣旨に合致する内容だと、このように思うんですが、今回のこの過疎対策の問題と、もう少しちょっと大きくすると南高北低問題がありますが、それに関わっての知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 議員がどのエリアまでを指されてそのように表現されているのかというのは定かではございませんが、かつ、私はそういう表現というのはあまり自分の好むところではないんですが、お尋ねでありますので考えを述べますと、いわゆる広い意味での県北部地域というのは、様々な、まず、歴史資源、文化遺産がございますね。世界登録を目指す彦根城、また、観音の里、仏教などにも大変様々なゆかりの地域がございます。街道文化もございます。  また、本県唯一の新幹線駅で、近江鉄道、JR、幹線交通の結節点である米原駅があるなど、今後の地方創生に向けて高い可能性を有しているのではないかと考えております。  何より自然環境に恵まれています。四季折々の風景、また産物、さらには生態系、こういったことを享受できるこういう環境にございまして、先ほども申し上げましたが、コロナ禍において、こういった地域、いわゆる田舎暮らしへの関心が高まる中、移住施策ですとか関係人口施策を進める好機でもあるのではないかと考えます。  一方で、そうは言いながら、人口減少ですとか高齢化が他の地域よりもより進展することも予想されておりまして、それに伴う課題に対して、これまでも答弁させていただきました過疎対策ですとか総合戦略に基づくいわゆる暮らしを支える地域づくりというものを市町と共に着実に実施していかなければならないと考えております。  滋賀県に根づく自治、また、コロナ禍を経て目指さなければならないよりよき自治を追求する観点からも、県北部の持っているこういった力を最大限発揮すべく、市町と連携しながら取組を進め、県全体の持続的な発展に向けて皆様と力を合わせていきたい、尽くしていきたいと存じます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)知事言われるのはもっともだと思いますが、私が聞きたいのは、普通に暮らせる、どこにいても普通に暮らせる、特に医療とか福祉とか教育が普通にできる、そういう地域をということで考えています。  公共交通も、JRの問題とかいろいろ課題はありますけれども、私はそういう思いで申し上げました。否定はしておりませんので、そういう意味では共に頑張ってまいりたいと、このように思います。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(岩佐弘明) 以上で、39番江畑弥八郎議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明29日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後4時41分 散会    ────────────────...